メモリーカードを誤ってフォーマットした、ごみ箱を空にしてファイルを削除した──。こんな操作ミスが、大事なデータを一瞬で消してしまうことがある(図1)。普段からそうした操作ミスをしないように心掛けておくのが重要だが、最悪の事態が発生した際の対処法を知っておくことも大切だ。具体的には「データ復元ソフト」を使い、消えたはずのデータを救い出すという手段である。

【何気ない日常の判断ミスで大事なデータがなくなる】
図1 パソコンを利用する上で日常の何気ない判断ミスで大切なデータを消してしまうことがある。そうした場合でも条件によってはデータ復元ソフトでデータを取り出せる可能性がある
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 そんなソフトがあるなら大丈夫じゃないか、と思うかもしれない。しかし、誤った使い方で闇雲にデータ復元ソフトを利用した場合、救い出せるはずのデータが永久に消えてしまうことだってある。時間と労力ばかりかかって、結局何も元に戻らなかったというのでは、悲しい。

 なぜデータが復元できるのか、その仕組みを把握し、正しい利用方法をひも解いていこう。

実はデータは消えてない!

 データ復元ソフトがデータを救い出せる理由は、OSのファイルシステム上では消したことになっていても、実は記録メディアの内部でデータがそのまま残っているからだ。記録メディアの内部では「ファイル管理情報」と「データの本体」が別々に分かれている(図2)。

【ファイルを削除しても、データの本体部分は残っている】
図2 ハードディスクやUSBメモリーのファイルシステム上では、ファイルの管理情報とデータ本体の記録場所が分かれている。ファイルを削除したつもりでも、実はデータ本体はそのまま残っている。この特性を利用して、データ復元ソフトは削除したファイルを元に戻す
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 ユーザーがファイルを消そうとしてアイコンをごみ箱にドラッグ・アンド・ドロップすると、それまであった場所からごみ箱の中に移動したように見える。だが、実は記録メディア上のデータの位置は元のまま。ファイル管理情報の上で、ごみ箱というフォルダーに移動したことになっただけだ。さらに、ごみ箱の右クリックメニューで「ごみ箱を空にする」を選ぶとする。そうすると今度は、"ごみ箱の中にある"という管理情報が消える。しかし、依然としてデータそのものは元の位置に残っている。データ復元ソフトは、このデータを拾い出して元に戻すのだ。

 もちろん、いつでも必ずデータを救い出せるというわけではない。管理情報の上でファイルを削除した後、パソコンを使い続けていると、別のデータが上書きされて、以前のデータは消えてしまうのだ。

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