書き込み型の光ディスクは、レーザー光でディスクにデータを焼き付けるような形で記録するため、比較的長期保存に向くといわれている。しかし、やはり永遠にデータが持つわけではない。CDからDVD、そしてブルーレイへと移り変わるにつれディスク1枚当たりの容量も増え、読み取り不能になった場合のダメージも大きくなる。大切なデータを失う前に、ブルーレイ時代の"常識"を知っておこう。

レーザーでデータを刻む

 最初に、光ディスクのデータ記録の仕組みをおさらいしておこう。データを書き込むには、レーザー光で記録層の素材を化学変化させ、光の反射率を変えてデジタルの「1」と「0」に対応した記録マーク(ピット)を付ける。ピットとそうでない部分の境界が1、同じ状態が続く部分が0だ。こうしたピットを、あらかじめ記録層に作られた溝に沿って渦巻き状に作成してデータを記録する。

 一方、データを読み取るには、溝に沿って弱いレーザー光を当て、反射光の強さを基にデータを復元する。ピットは方式によって、周囲より反射率が低くなっている場合と、高くなっている場合がある。以上のような読み書きの原理は、ディスクの種類や方式によって細かな違いはあっても、基本的な考え方は同じだ。

 ただし、1980年代のCDから1990年代以降のDVD、そしてハイビジョンと共に普及が進むブルーレイと、大容量化するにつれてディスクの構造は変わってきている。主流のCD-R、DVD-R、BD-Rについてディスクの構造を比べたのが図1だ。

【光ディスクの構造の違い】
図1 3種の光ディスクの記録マーク(ピット)の拡大イメージ図と、大まかな層構造。容量が増えるにつれピットが小さくなり間隔も狭まる。特にBD-Rは指紋などが付くと、多くのピットが隠れてデータが欠落しやすい。層構造も大きく異なり、BD-Rは傷が付きにくいハードコート層が標準で置かれている
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 まず、記録容量の増加に伴ってピットが細く小さくなって密度が高まった。層の構造も違う。ディスクは主に、ポリカーボネート製の透明な「基板」、データを記録する「記録層」、銀などでできた「反射膜」から成るが、CD-Rは記録層がレーベル側にあるのに対してBD-Rは光ピックアップ側にあり、DVD-Rは中間部分にあって2枚の基板で挟まれている。データ消失を防ぐには、以上のような構造の違いも踏まえた上で考える必要がある。

 記録したデータが読み取れなくなる本質的な原因としては、記録層の劣化がある(図2)。記録に化学変化を利用する原理上、高い温度や湿度のほか、強い光、特に紫外線が悪影響を与える。これらが原因でピットの境界がはっきりしなくなると、データの1と0が正しく認識できなくなる。同様に、反射膜の銀などが酸化して反射光が乱れるなどしてもデータエラーの原因になる。

【データが読み取れなくなる主な原因】
図2 データが読み取れなくなる原因は、記録層や反射膜の劣化もあるが、指紋やほこり、ディスクの反りやゆがみなどの外的要因も大きい。特にブルーレイは構造上、それらの影響が大きいので注意
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