ソケットが合うだけではだめで、マザーボードがCPUに対応していなければならない。具体的には、マザーボードの電源回路とチップセット、BIOSのすべてが対応している必要がある。LGA1366は、まだCPUが1世代目しかないので今のところはソケットが合えばどのマザーボードでも動作する。

 難しいのはLGA775だ。チップセットが古いと対応FSBが合わなかったり、チップセットそのものが最新CPUに対応していなかったりする。その一方で、Intelが非対応としたチップセットを搭載しながら、マザーボードメーカーが独自に対応している場合もあり、状況は複雑だ。電源回路の対応状況はマザーボードメーカーにしか分からず、ユーザーが外見からは判断するのは難しい。確実なのは、マザーボードメーカーがWebサイトで公開しているCPU対応表を確認することだ。BIOSのどのバージョンからどのCPUをサポートしたかの記述もある。

 古いPCのCPUだけを最新モデルにアップグレードしたい人は多いだろうが、現実には難しい。かつてはソケットを変換する基板(通称、下駄)が存在したが、高速バスでは変換が難しいなどの理由により、現在はそうした製品がない。最近は最新CPUに対応しながらも数千円で買える安価なマザーボードも多いので、変換基板を購入してまで古いマザーボードを使うメリットはあまりないだろう。

 AMD製CPUは、メモリーコントローラーをCPUに内蔵しているという仕組み上、LGA775のような問題は少ない。AMD製CPUには、最新のPhenom IIの「AM3パッケージ」、Phenomの「AM2+パッケージ」、Athlon X2などの「AM2パッケージ」の3種類がある。ソケットは、Socket AM3とSocket AM2の2種類だ。「Socket AM2+」と記述してある例もあるが、これはAM2+パッケージに対応しているという意味で、物理的形状はSocket AM2と同じだ。

 Socket AM3にはAM3パッケージのCPUだけを取り付けられる。Socket AM2にはAM2、AM2+、AM3のCPU全てが挿さる。AMD製CPUの場合、電気的な仕様上は、CPUがソケットに挿さるのなら動作する。ただし、BIOSが非対応だと動かないこともある。また、廉価版のマザーボードの中には、TDP(熱設計電力、実使用上の最大消費電力)が140Wや125WのCPUに電源回路が対応していない製品もある。マザーボードのCPU対応表を見るのが確実だ。

 新しいCPUが登場する際には、さらに注意しなければならない。店頭のマザーボードが、新CPUに対応した最新バージョンのBIOSを搭載しているとは限らないからだ。非対応だと、新CPUとセットで買っても、BIOSアップデートすらできない状況になる。念のため店員に確認してから買うとよい。

デスクトップPC向けのCPUソケットは主に4種類。Intel製CPUはCore 2シリーズなどのLGA775と、Core i7のLGA1366。AMD製CPUはこれまでの主力でDDR2メモリー対応のSocket AM2とDDR3メモリー対応の新型Socket AM3だ。AM3のCPUはAM2に取り付けて動かせるが逆は不可能。
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出典:日経WinPC 2009年5月号
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