トレンドマイクロは8月30日、セキュリティソフト「ウイルスバスター クラウド」の最新版を発表した。新版の特徴は、ソーシャルメディア(SNS)対応の強化。例えば、Facebookのプライバシー設定をチェックする機能を備えた。

 そのほかの注目点は、製品名からバージョンが消えたこと。Windows 8にも対応した。ただ、Windows 8には、ウイルス対策が標準で装備されるという話があり、気になるところだ。これらの話題について、同社副社長の大三川彰彦氏に話を聞いた。

■新版の目玉の一つは、Facebookのプライバシー設定をチェックする機能だと聞きました。

 今や、ソーシャルメディアはコミュニケーションツールとして不可欠な存在になっています。その一方で、設定ミスや機能の誤解によって、自分や友人などの個人情報を不特定多数に公開してしまうことが懸念されます。

 そこでウイルスバスター クラウドの新版では、ソーシャルメディア利用時のプライバシーを簡単に保護できる機能を追加しました。ユーザーが自分でプライバシー設定を確認しなくても、お勧めの設定が分かるようにしました。

 Facebookを対象にしたのは、世界的にユーザー数が多いからです。2012年6月末時点で、9億5000万人が利用しているそうです。ただ、日本国内で見れば、Facebook以外のソーシャルメディアを使っているユーザーも多数います。今後は、Facebook以外を対象にした同様の機能を実装することも検討したいと考えています。

■新版の製品名には、バージョンを表す数字が付いていません。

 日本以外で販売している製品については、数年前からバージョンを付けていません。国内向けの製品も、海外と同じ対応になったということです。

 製品名からバージョンを外すことは、国外製品がバージョンレスになった頃から検討していました。そして、今回からバージョンレスにしました。他社でも、セキュリティソフトをバージョンレスにすることを発表しましたが、それに追従したわけではありません。偶然の一致です。

 バージョンが付いていると、新版をリリースしたときに、ユーザーに分かりやすいといったメリットがあります。メディアにも取り上げてもらいやすいでしょう。

 半面、新版のリリース時には、量販店などでは旧版のパッケージと入れ替える手間が発生します。バージョンレスにすることで、その手間を解消できるでしょう。

 また、ユーザーにとっても、製品のバージョンは意味が無くなってきているでしょう。ライセンスの有効期間であれば、新版に随時アップデートできるからです。アップデートはオンラインで簡単に行えるので、自分がどのバージョンの製品を使っているのかを意識する必要はありません。

■Windows 8には、ウイルス(マルウエア)対策機能が標準で装備されます。

 Windows 8しか使わず、さらに、標準で備わっている機能で満足できるユーザーなら、その機能を使えばよいと思います。

 ただ、Windows 8以外のプラットフォームも利用しているユーザーや、ウイルス対策以外のセキュリティ機能が欲しいユーザー、手厚いサポートを受けたいユーザーには、セキュリティソフトが別途必要でしょう。

 Windowsが標準でウイルス対策機能を備えるようになっても、当社のようなセキュリティ専業メーカーが提供するセキュリティソフトには、ユーザーニーズがあると考えています。そのニーズに応えるために、今後も製品開発に力を入れます。同時に、セキュリティソフトの有用性について、ユーザーに分かりやすく説明していきたいと考えています。