気象は、はるか昔から人間の生活に深く関わってきた。それは、時代を経ても変わらない。毎朝、出勤前に必ず天気予報をチェックするという人も多いはずだ。

 その気象に、新たなアプローチで取り組む企業がある。気象情報を専門に扱うウェザーニューズだ。携帯電話やパソコンを駆使して、ユーザーに情報を配信するだけでなく、ユーザーから集めた情報を気象予測に生かしている。

 ウェザーニューズで個人向けサービスを担当する石橋知博取締役に、事業の内容や今後の展開について聞いた。

石橋 知博(いしばし・ともひろ):1975年、東京都生まれ。中央大学理工学部情報工学科卒業後、日本ヒューレット・パッカード勤務を経て、2000年10月にウェザーニューズに入社。モバイルサービスグループリーダーを務めた後、子会社のウィズステーション取締役に就任。2007年からウィズステーション社長。2008年からウェザーニューズ取締役(BtoS事業統括主責任者)を兼務(写真:中村 宏)
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■ビジネスの現状について教えてください。

 法人向けのサービスと個人向けのサービスに大きく分けられます。法人向けは1986年の創業以来、取り組んでいる分野。運輸、交通、物流など、30以上の業種に気象情報を提供しています。

 個人向けのサービスに参入したのは、1995年に民間による天気予報が自由化されてからです。現在は、テレビや携帯電話などさまざまな媒体を通じて気象情報を配信しています。

 テレビ向けには天気予報番組で使う原稿や映像を制作したり、キャスターを派遣したりしています。携帯電話では、自社で気象情報サイト「ウェザーニュース」を運営するほか、KDDIとの協業で、携帯電話基地局に気象観測装置を設置し、ユーザーに気象情報を配信するサービスを始めました。このほか、電車の車内に設置された情報ディスプレイやケーブルテレビでも気象情報を提供しています。気象に特化し、これだけ幅広い分野で情報サービスをしている企業は、世界でもウェザーニューズだけだと思います。

■その中でも、携帯電話向け、パソコン向けの事業が急成長しています。

 携帯電話向けのサービスを始めたのは1999年2月です。NTTドコモの「iモード」開始と同時に参入しました。その理由は、一人ひとりのユーザーに気象情報を直接届けられると考えたからです。

 我々は、気象はインフラであってほしいと考えています。ガスや水道、電気と同じように、誰もが必要なときに簡単に使いこなせるのが理想です。

 既に、企業は自分たちのビジネスにさまざまな形で気象情報を生かしています。例えば、海運業では船舶の安全を確保するのはもちろん、低燃費で航海できるルートを検討するのに使っています。コンビニエンスストアは気温に応じて陳列する商品のラインアップを調整しています。

 これに比べ、個人は「雨が降りそうだから傘を持っていこう」「今日はコートが必要になりそうだ」といった程度にしか気象情報を生かせていません。本来、気象は健康や体調にも影響を与えるもの。気象情報を活用すれば、生活をより豊かにできるはずだと思っています。

 そのためには、気象情報を必要としている人にタイムリーに伝えなければなりません。携帯電話やパソコンはこのための武器になると考えています。

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