米マイクロソフトが、このところ全世界的に取り組みを強化している分野の一つが「教育」だ。情報通信技術(ICT)の利用による児童・生徒の能力向上や教員の負荷軽減、家庭での学習環境の改善などを目的としている。この分野を世界的に統括する、米マイクロソフト ワールドワイドパブリックセクター エデュケーション担当のアンソニー・サルシト副社長に、同社の取り組みの狙いや効果、他国と比較した日本の状況などについて聞いた。

■マイクロソフトの教育市場への取り組みについて教えてほしい。

 マイクロソフトは、長い間、教育分野に注力してきた。学生の基本的な人権として、平等な機会を与えられ、高品質な教育に対してアクセスできるべきだ。その中でテクノロジーの役割は、さらに大きなものになると思う。高品質な教育へのアクセスが可能になることで、一人ひとりの学生が、個々の潜在的能力や可能性を高めていけると信じている。

 教育向けにはさまざまなプログラムを実施し、ソリューションも提供している。中でも最近とみに投資を高めているのが、クラウドだ。クラウドによって、新しいチャンスが学校に提供され、教職員や学生に新しいパワーを提供できる。

 現在、学校現場ではコスト削減が実施され、教職員の数は減少傾向にある。一方で、学校に求められるものは増えている。こうした状況の中で、クラウドは非常に重要な意味を持つ。マイクロソフトでは、全社的に真剣に取り組んでいる。

 教育機関には、「Live@edu」というサービスを提供し、コラボレーション環境を用意している。それ以外にも、Exchange SeverやOfficeソフトを利用してドキュメント作成や編集をしたり、ストレージにデータを蓄積したりといったことについても我々の技術を利用してもらえる。学校はサービスの品質を向上させつつコストを削減できるし、サービス規模の拡張などについても柔軟に対応できる。例えばケンタッキー州では70万人の学生に、非常に短期間で「Live@edu」を展開できたという例がある。

 クラウド以外にも、さまざまな取り組みをしている。「Shape the Future」というプログラムにおいて、手ごろな価格でテクノロジーを利用できるようにしている。例えばポルトガルの「マゼラン」プロジェクト。ICTの活用によって、学習に新たなチャンスが生まれるだけでなく、雇用の創出や国家経済の活発化にも効果があると考えられている。

 情報にアクセスできるようにするだけでなく、包括的な視点から、教育機関同士を接続することも重要だ。世界80カ国で展開している「Innovative Schools」というプログラムでは、学校間でベストプラクティス(良い事例)を共有している。

 教育機関から高いニーズがあるのは、充実したサポートやトレーニングだ。さまざまなプログラムを用意して、包括的な枠組み(フレームワーク)を設けている。パートナーと協力することで、新たなソリューションも提供できる。まさにこれが、今後の日本における活動の主眼になると思う。

この先は会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら