3年前、2人の若者が起業したオンライン・ストレージサービスが、今や400万人のユーザーを抱える一大ビジネスに成長した。急成長の秘密は、ウェブ上での面倒なログイン操作なしでデータを同期できる抜群の使い勝手にある。そのアイデアが湧いたのは、愛用のUSBメモリーを壊したことがきっかけだったという。

ドロップボックス社の共同設立者。右がドリュー・ヒューストン氏、左がアラシュ・フェルドウスィー氏 (写真提供/ドロップボックス社)

■今ドロップボックスのユーザーは、世界中でどれくらいいるのですか。

 現在、約400万人のユーザーを抱えており、かなりのスピードで増え続けています。内訳を見ると、米国の利用者が約3分の1を占めてトップ。イギリスとドイツが約7%でそれに続いています。日本のユーザーは4番目に多く、全体の約5%です。

■そもそも、なぜこのようなオンラインストレージサービスを始めたのですか。

 一言で言うと、私自身が欲しかったからです。

 実は、前の会社に勤めていたとき、大事な情報が入ったUSBメモリーの接続端子を折り曲げてしまい、データが読めなくなったことがありました。このときは、八方手を尽くして何とかデータを救出できたのですが、それ以来、大事なデータをUSBメモリーで持ち運ぶことが恐くなりました。

 それで、もっと良い手がないかといろいろな方法を試してみたのです。自分宛てに電子メールを送ったり、当時のオンライン・ストレージサービスを利用してみたり…。でも、どれも操作や手順が面倒で、ストレスばかりたまってしまう。自分にピタリとフィットする方法が見当たりませんでした。

 そこで考えたんです。いっそ、自分で新しいサービスを立ち上げてみてはどうだろう。そこでは、特定のフォルダーに保存したファイルをどこからでもすぐに取り出せるようにしよう。面倒な操作は一切省いて、シンプルな操作に徹する。そうすれば、私と同じようなストレスを抱えている多くの人達にアピールするに違いない。そう考えて友人のアラシュと2007年に今の会社を設立しました。

■御社のサービスには2つの特徴があると思います。1つは、データの自動同期を使っていること。もう1つは、ウェブ上での面倒なログイン操作なしでサーバーにアクセスできること。この2つをメーンに据えたのはなぜですか。

 まず、データの同期についてですが、我々はソフトの開発に着手するとき、特定のフォルダーに保存したファイルを、いつでもどこでも簡単に取り出せるようにしたいと考えました。それには、ローカルのフォルダーとサーバーとの間で自動同期を実行するのが最も合理的です。これなら、サーバーを介して、どのパソコンのフォルダーも同じ内容に保つことができます。

 それから、ウェブ上でのログインを省略した理由ですが、これは「ユーザーの通常業務をじゃましない」ことを最優先しました。確かに、ブラウザーを開いてIDやパスワードを入力してもらえば、その分、安全性は高まります。しかし、いったん自分の作業を中断してから、こうした認証を行うのは非常に面倒です。

 やはり我々としては、サーバーと接続していることを意識しなくても済むように、シンプルな操作に徹したいと考えました。

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