2008年6月に秋葉原で発生し、人々を震撼させた無差別殺傷事件。週末の秋葉原で恒例だった歩行者天国は事件後から中止されたままだが、2010年に入り再開に向けた動きも見られる。秋葉原の電気街一帯をカバーする監視カメラが設置され、併せて関係者がパトロールを実施しており、地元の千代田区長も早期の歩行者天国再開に前向きな見解を表明している。

 事件で損なわれた秋葉原のイメージを刷新し、歩行者天国の再開に期待を寄せるひとりが、電気街のショップを代表して秋葉原電気街振興会の会長を務める小野一志氏だ。

 小野氏は、秋葉原の電気街がほかと異なる特徴として「この街に来れば何かをやっている、この街だから楽しいと多くの人に喜んでもらえるイベント」を挙げる。恒例の「秋葉原電気まつり」のほか、過去には「AKIBAX」「インターネットショー」など、さまざまなイベントを企画してきた。歩行者天国が再開されれば、週末の中央通りをフル活用できる。さらに、「秋葉原UDX」「ダイビル」「ベルサール秋葉原」など周辺の各イベントホールを一体として、複合的なイベントを催すことで、来訪者が楽しめる空間を創出したいという。

 小野氏は、外国人観光客の誘致にも積極的だ。「日本中の商店街が、どうやって街に外国人を呼び込むか、知恵を絞っている一方、官公庁のおひざ元の千代田区で外国人向けの施策が何もないのは寂しい」と指摘する。

 外国人観光客に向けては、秋葉原をテストマーケットの場として生かすことを提案する。「秋葉原は最先端の機器を売り、先端技術の開発拠点も多数ある。そんな街だからこそ、どういう点をキーに商品を売れば喜んでもらえるのか、何が足りないのかを試せる。そうした環境を生かした新たな試みは、秋葉原が向かう今後のベクトルの一つとしてあり得る」とする。

出典:日経パソコン 2010年4月26日号
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。