2009年11月18日(米国時間)、米国ロサンゼルスで催された開発者向け技術カンファレンス「Professional Developers Conference (PDC) 2009」において、Officeの次期バージョン「Office 2010」ベータ版の一般公開が発表された。製品版のリリースは2010年前半を予定。

 パソコンにインストールして使う通常の「リッチクライアント版」に加えて、携帯電話上で動く「モバイル版」(Office Mobile 2010)と、ブラウザー上で動く「Webアプリケーション版」(Office Web apps)という3種類を提供する計画だ。Webアプリ版を使えば、Officeがインストールされていないパソコンでも、Office文書の閲覧や編集が可能になる。この次期バージョンが目指す方向性、ベータ版の強化ポイントについて、米マイクロソフトでOffice製品群の広報活動を行っているジャニス・V・カプナー氏に話を聞いた。

■Office2010の開発コンセプトを簡潔に教えてください。

 我々は、世界中のビジネスパーソンやITプロの方々が、パソコン、携帯電話、ブラウザーの3つを横断的に利用して、どこからでもOffice 2010にアクセスできる環境を作りたい。これにより、ユーザーにベストな体験をしてもらえることを願っている。

■今回、Office 2010のベータ版を一般公開したが、7月に公開したテクニカルプレビュー版との違いは何か。

 テクニカルプレビュー版は、招待者にだけ限定的に公開したものだ。一方、ベータ版はインターネットにアクセスできる人なら誰でも利用できる。機能的にもより安定していて、製品版により近づいている。Webアプリ版とクライアント版の連携も強化し、クライアント版の「バックステージ」ビューを通じてWebアプリ版にデータを移せるようになった。テクニカルプレビュー版は初期のテスト版で、そのフィードバックを反映し、ベータ版はより使いやすくなっている。

 またWebアプリ版に関しては、テクニカルプレビュー版では提供していなかったOneNoteが新たに追加された。テクニカルプレビュー版では閲覧しかできなかったWordにも、編集機能が追加された。

■テクニカルプレビュー版のWebアプリ版は、クライアント版に比べて機能がかなり制限されていた。例えばExcelのWebアプリ版ではグラフも作れない。これは今後改善されていくのか。

 Webアプリ版は、クライアント版のすべての機能を搭載するわけではない。Webアプリ版はクライアント版のパートナーだと考えている。ユーザーからのフィードバックや、ユーザーの利用調査を基に、クライアント版に対してWebアプリ版がどのような機能を備えるべきかを検討している。

 例えば、ある学生は何百ページもの文書を作成するが、これにはクライアント版のWordを使う方が良い。なぜなら、脚注を付けたり、アウトラインを活用したりと、とても創造的なプロセスを必要とするからだ。ユーザー調査によると、このようなユーザーは、Webアプリ版でゼロから何かを創造しようとはしない傾向にある。彼らがWebアプリ版でするのは、単なる入力や編集、あるいはより小さく短い、1ページ程度の書類や手紙を書くことくらいだ。そのため、我々はWebアプリ版に一定の機能だけを搭載した。これはどのようなユーザー利用シナリオを想定しているかに基づく。

 ベータ版のWebアプリ版Excelでグラフが作れるようになったのかは、今はまだ確認していないので分からない。また最終的にどうなるのかも分からないただ、今後も必要に応じて機能を追加することはあるし、なくなってしまう機能があるかもしれない。

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