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木内 里美(きうち さとみ)
1947年、茨城県生まれ。中央大学理工学部卒業後、大成建設に入社。本社土木設計部などを経て、2001年に情報企画部長に就任。03年には日経情報ストラテジーの第1回「CIOオブ・ザ・イヤー」を受賞する。この6月より、大成ロテックの常勤監査役を務める
(撮影:細谷 陽二郎)

 職場でのWindows Vistaの導入が遅々として進まない。発売から1年半が経過したにもかかわらず、導入企業は全体の3パーセント台。普及の兆しは、一向に見えてこない。なぜ、職場での導入が進まないのか。Vista導入の見送りを決めた、ある大手建設会社の情報システム担当者に不採用の理由を聞いた。

■現在、大成建設で使っているOSは何ですか。

 当社は、これまでWindows 2000をメーンに使ってきましたが、昨年4月にXPに切り替えることを決断し、現在その移行作業を順次進めているところです。現段階での使用比率は、2000が65パーセント、XPが35パーセントに達しています。

■昨年4月と言えば、もうVistaが登場しています。なぜVistaに乗り換えなかったのですか。

 もちろん、Vistaを第1候補に考えました。発売前の早い段階でベータ版を入手し、私自身も含めてシステム部門のスタッフが詳細な検討を行いました。実際に3台のVista搭載機を用意し、日常業務で使った場合に、どんな問題が起こりうるのか。その原因と対策をすべてチェックリストに挙げていったのです。こうした検証を進めるなかで、次々と大きな問題が浮かび上がってきました。

 まず1つは、前OSとの互換性です。当社では、Windows 2000上で、500を超える自社開発のアプリケーションソフトを走らせています。これをVistaで動かしたところ、多くのソフトで不具合が発生しました。仮にVistaを導入するなら、それらのソフトをすべて改修しなくてはなりません。これは気が遠くなるような大変な作業です。

 もう1つは、導入コストの問題です。Vistaへの移行費用をザッと見積もったところ、少なくとも15億円程度の費用がかかることがわかりました。しかし、これほどの投資をしても、得られるメリットがまったく見えてこないのです。

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