IDCによると、2014年4~6月世界市場のパソコン出荷量は前年同期比1.7%減の7440万台だった。韓国の場合は、2014年は前年比3.5%ほど減少すると見込まれている。

 世界的にパソコンの売れ行きが減少し続けているが、4~6月はWindows XPのサポート終了による買い替え需要があり、前年同期比7%減と見込まれたところ1.7%減にとどまった。韓国も企業のパソコン買い替え需要があり、小幅に減少するだけにとどまったようだ。

 ソウル市の龍山(ヨンサン)には、かつて、自作デスクトップパソコンのパーツショップが数えきれないほどズラりと並んでいた。オンラインゲーム好きならこの仕様、ビジネス用にはこの仕様などと、ユーザー同士で情報を公開し合い、パーツショップもどこよりも早く最新のパーツを仕入れようと競争したものだ。

 龍山は「韓国の秋葉原」とも呼ばれたが、今ではパソコンを組み立てようとする人が急減し、値段競争では店舗を持たないオンラインショッピングに負けてしまったことで衰退してしまった。地方からもパソコンを買うなら龍山しかないとわざわざ来ていたものだが、龍山は今や再開発で超高層マンション地域に変わろうとしている。

 韓国では、デスクトップパソコンの代わりにノートパソコンかタブレットPCを使うユーザーや、スマートフォンさえあれば自宅にパソコンは要らないというユーザーが増えてきた。自作パソコンが減った分、サムスン電子やLGエレクトロニクスのノートパソコンが売れるようになっている。

 ノートパソコンは日本メーカーの輸入品ばかりだった時期もあったが、最近はサムスン電子やLGエレクトロニクスからも軽くて安いノートパソコンがたくさん出ている。

 韓国メディアは、パソコン、特にデスクトップパソコンが売れないのはスマートフォンのせいではないと見ている。韓国ユーザーが熱狂したオンラインゲームの衰退が、パソコン市場の衰退につながったのではないかという記事がとても多い。

 韓国でブロードバンドが普及し、ハイエンドパソコンが売れるようになったのはオンラインゲームの影響が大きかった。1998年から2000年代半ばまで、オンラインゲームをプレイしたいがために、値段は高くても高性能なパソコンを買い、超高速インターネットを申し込んだものだった。

 オンラインゲームの新作が出ると、パソコンを買ったりPCパーツをアップグレードしたりする需要が生まれるので、オンラインゲームとパソコンメーカーが組んでバンドル割引もよくしていた。7月になるとオンラインゲームの夏休み商戦が始まり、春の新学期やクリスマスの時期よりもパソコンが売れたものだ。

 オンラインゲームがけん引してきた韓国のパソコン市場は、オンラインゲームからモバイルゲームへと流行が移り変わったことで大きな影響を受けるしかなかった。新しい需要を作るため、今年、パソコンメーカーが強調しているのは「動画が観やすいディスプレイ」「ノートパソコンのようなタブレットPC」である。

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