NTTドコモは2014年2月3日、NTTナレッジ・スクウェアと共同で、無料で大学の講義が受けられるWebサイト「gacco(ガッコ)」を公開した。国内初のMOOC(Massive Open Online Courses)の配信サイトだ(関連記事)。MOOCの推進団体JMOOCの公認の下、各大学が提供する講義を無料配信する。有償で対面での講義にも参加できる「反転学習コース」も用意する。
 同社はこのほかにも、料理教室を運営するABC Cooking Studioの持株会社ABC HOLDINGSと資本提携するなど、教育関連事業への取り組みを加速させている。その狙いはどこにあるのか。同社 スマートライフビジネス本部 ライフサポートビジネス推進部 教育事業推進担当部長の伊能(いよく)美和子氏に聞いた。(記事構成は編集部)

山内:先日、島根で「反転学習」に関する研究会がありました。とっても盛り上がって良い研究会だったんですが、その場で、ある先生から質問を受けたんです。JMOOC公認の下でNTTドコモさんが公開した「gacco」は、なぜ「ガッコ」なのですか? と。

 「『学校』からきた名前なのか、でもあまりに“そのまんま”なので本当にそうなのかと疑問に思って……」とおっしゃっていました(笑)。というわけで、まずはgaccoの名前の由来から教えてください。

伊能:ご指摘の通りそのまんまですが(笑)、gaccoは「学校」から取った名称です。実はうちの上司も、当初はこの名称に難色を示していました。でも「関係者がみんなこれがいいと言っている」と押し切ったんです。

伊能(いよく)美和子氏。NTTドコモで教育事業を主導する
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 世の中には、何かの英語の頭文字を取って読ませる系の名前の付け方ってよくありますよね。実は「docomo」も、「do communications over the mobile network」の略なんですよ。ご存じでした?

 でも、結局ほとんどの人にとっては「どこでも」の意味での「ドコモ」なんですね。もちろん、それを狙ってつけた名前でしょうけれど。

 gaccoもそういう風に、意味があって残る名前にしたかったんです。日本語を世界共通ワードに、という思いもありました。「カワイイ」とか「カラオケ」とか、世界に通用している日本語がありますが、ああいう言葉をイメージしました。

 発表後、Twitterなんかで評判を見てみましたが、ごく一部に「イケてない」という意見はあったものの、ほとんどの人は素直に受け取ってくださったようですし、中には「単純で覚えやすい」という肯定的な人もいて、安心しています。

山内:「gakko」とつづることもできたと思うんですけど、なぜ「gacco」なんでしょうか。

伊能:小文字でつづると、「gakko」より「gacco」の方がかわいいですよね。日本文化で世界に受け入れられているのはかわいいものが多いので、そこにハマるものにしたい、と考えました。

国内初のMOOC配信サイト「gacco」。NTTドコモが運営し、東京大学、慶應義塾大学、早稲田大学などさまざまな大学が講義を配信する
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山内:gaccoのようなサービスには、「学びをカジュアルにする」という使命があります。その意味で、この名称はピッタリですよね。

 大学は、それが良いか悪いかは別として、権威の象徴そのものになっています。私の研究室にお越しになる方にも「私、赤門をくぐったのは今日が初めてです」なんて言われる方が結構いらっしゃいます。どれだけ結界が張られてるんだろう、とつくづく思うんです。

 大学は本来、いろんな人に学びを届ける使命を持っています。それなのに、それだけ“呪い”がかかっているのは良くないことです。その意味で、名称がカジュアルなのは大事だと思います。

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