iPhoneやiPad上でも動作するデータベースソフトの「FileMaker」が劇的な進化を遂げた。MacやWindows上で設計・制作したビジネスアプリケーションがWeb上でも、iOS上でも、パソコン上でも同一テイストのネイティブアプリを扱っているかのように動く。しかも、Excelで集計や自動処理が書ける程度のパソコン利用者なら、自分の仕事をスマートなアプリで自動化できる。どう進化したのか? 何を目指してバージョンアップしたのか、ファイルメーカー日本法人社長ビル・エプリング氏、米FileMaker ユーザーエクスペリエンス プロダクト・マネジメント担当マネジャー、ヘザー・ウィンクル氏、同シニアエンジニアリング ディレクター、アンドリュー・ルケイツ氏に聞いた。

そもそもFileMakerとは何?

 インタビューに入る前にまず、今回アップデートされた「FileMaker 13」の何がすごいのか、簡単に押さえておこう。本サイトの訪問者ならExcelはよく使っているがFileMakerは使ったことがない、という方がほとんどだろう。Excelを使って計算をさせるくらいはお手の物、中にはスクリプトを書いて自動集計ワークフローを組み上げる猛者もおられることだろう。

 しかし、表計算ソフトで自動実行ワークフローを組み立てても、それを広く社内の同僚に使ってもらうのは難しい。だだっ広いワークシートのどこにどんな数字を打ち込んで、どこに商品明細情報を入力すればいいのか分かるように作るのは至難の業。一件データを入れた後、次の処理画面を出すにはどうすればいいのか、とても複雑な仕組みを作り上げていかなければならない。

 ところが、FileMakerでは入力すべきデータの形式を設定し画面上のどこで入力させるのか、計算結果をどんな形で表示させるのかを簡単な操作で作り上げることができる。ボタンを押すと一連の集計作業が行われ、次にするべき作業画面が別画面として現れる、といったワークフローの電子化ができる。最終的には例えば、図1のような見積発行・承認システムのようなものを作り上げることができる。重要なのは、出来上がったシステムがあたかも専用のアプリケーションを構築したかのように秩序立てて動作するものになるということだ。フィールド間のデータ処理用の関数が充実しているだけでなく、画面コントロールを行うための自動実行スクリプトがそろっているので、専門家の手にかかると完璧なカスタム業務システムとなる(図1、図2)。

図1 データ処理のワークフローを専用のカスタムアプリケーションに仕立てることができる「FileMaker」。これはジェネコムがサンプルソリューションとして公開している「見積発行・承認システム」の入力画面。FileMakerがiOS用のテンプレートや資料を配付しているfmgo.jpにサンプルファイルが置いてある。
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図2 見積書の出力例。印刷して先方に提出できるようカスタマイズされた例。同じくジェネコムの「見積発行・承認システム」から。
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 早い話、何ができるの、と問われれば、今の季節とても需要の高い「年賀状宛先管理&はがきレイアウト&印刷」に始まり、販売管理、資産管理、電子カタログ、グループでのスケジュール管理やプロジェクト管理と、極めて応用範囲は広い。FileMakerはアプリケーションのカテゴリーとしては「データベース・ソフト」と分類されるが、それ以上にデータ入力・操作のための画面設計、あたかも専用システムを作り上げたかのような実行環境の部分が充実しているアプリケーション群だと考えると理解しやすいだろう。

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