「他の眼科で治療を受けていたが治らない。重症のドライアイなのでしょうか」というような相談を受けることがよくあります。そうしたケースで、アレルギー性結膜炎だった、ということが多くあります。

 特定のもの(抗原)に過剰に反応してしまうのがアレルギーで、アレルギーで結膜炎を起こしていればアレルギー性結膜炎です。「花粉症」はアレルギーではないと思っている人が意外に多いのですが、花粉に対するアレルギーが花粉症で、目に起きていれば結膜炎、眼瞼炎。鼻に起きれば鼻炎になります。花粉はスギだけとは限らず、夏のイネ科の植物、秋のブタクサに反応する花粉症もあります。その中でも1番患者数が多いのは、春の花粉症=スギ花粉症です。

 以下、目の症状を挙げますが、これらはドライアイでもアレルギー性結膜炎でも出るものです。自覚症状だけでドライアイなのかアレルギーなのかを診断するには限界があります。目が乾く=ドライアイ、目がかゆい=アレルギー性結膜炎、と単純に1対1対応にはなりません。複数の症状が出る場合も多く、目が乾くアレルギー性結膜炎の人もいれば、目がかゆいドライアイの人もいます。ドライアイとアレルギーの両方起こしていることも結構あります。パソコンユーザーに多いですよ、とこれまで書いてきたBUT短縮型ドライアイの患者さんはアレルギー性結膜炎も一緒に持っていることが多いと言われています。

  • 目が乾く
  • 目が疲れる
  • 目がゴロゴロする
  • 目がかゆい
  • 目がかすむ
  • 目が赤くなる
  • 目が痛い
  • 目が重たい
  • 目に不快感がある
  • 涙が出る
  • まぶしい
  • 目やにが出る

 スギが飛んでいる時期に「いつもの症状です。シーズンが来ました」というおなじみの患者さんが来院されれば、診断を間違える余地はほとんどありません。しかし、今までまったくアレルギーの症状が出たことがない、あるいはスギの花粉が舞うシーズンでない場合には、診断に悩む場合があります。最近は「かゆい」と自分で訴えることができない乳幼児にもアレルギーが出ることが多いのと、80才近くなって初めてスギ花粉症が出たという患者さんもいますので、年齢だけで「花粉症ではない」と断言もできません。花粉症以外のアレルギーの話は当院Webサイトにもありますので、興味ある方は参照されてください。

 当院でどう診察しているかというと、以下のようになります。

1) まずは生体染色。フルオレセインという蛍光色素で涙を染め、目の表面の傷、涙の状態からドライアイがあるかどうかを診るとともに、まぶたの裏側をチェックしてアレルギーの有無を診ています。よく「目を触らないでください」と希望される女性患者さんがいらっしゃるのですが(化粧が落ちるからでしょうか?)、上まぶたをひっくりかえさないとアレルギーの状態は分かりません。

2) アレルギーと思われる場合、涙で診断するアレルウォッチという方法をよく行っています。写真のような細いろ紙に涙を吸わせ、薬液と反応させることで判定します。ドライアイの診断に使うシルマー試験紙より柔らかいので、理解できると幼稚園児でも検査可能です。何にアレルギーを起こしているかまでは分かりませんが、10-15分程度(アレルギーが強い人だと数分)で判定できます。慣れれば眼科医でなくてもできる検査だと私は思っていますが、他科で行っているかは不明です。いままで花粉症がなかった患者さんにはこの結果で納得してもらうことができます。

3) ドライアイがありそうであれば、以前の連載で写真を掲載したシルマー検査で涙の分泌量を調べます。

4) アレルギーの原因を調べるために採血を行うことがあります。代表的な16種類の原因に対しての検査です。これでアレルギーが治るわけではありませんが、スギに対して陽性反応が出れば季節的な備えができますし、ハウスダスト、ダニに反応するのであればカーペットの利用をやめる、などの対策が必要です。秋になると風邪をよく引くと思っていたら、実は秋の花粉症だったという人もいます。眼科の開業医がみな採血をしているわけではないようですので、採血を希望される場合にはやっているかどうか確認しましょう。と書くのは、眼科での採血は珍しい、とかなり遠くから当院にいらっしゃる患者さんが多いからです。写真はスギとハウスダスト、ダニに反応が出た患者さんの結果です。アレルギーを起こすものすべてについて調べることはできませんが、「これかも」という原因に関してセットを組み直すことは可能です。

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