……というようなタイトルですが、私は「○○に良い」という食べ物は全然信じていません。納豆を毎朝食べるのは単純に好きだからですし、お弁当に必ず卵(ゆで卵か卵焼き)が入っているのは簡単に1品増やせるという理由だけです。サプリメントも飲んでいません。

 サプリメントは一定の条件があれば効果を上げることはあります。しかし、全員に、そしてすべての病気を防ぐものはありません。眼科領域のサプリメントで、私が患者さんに唯一薦めているのは、視力低下を起こす黄斑変性(加齢により網膜中心の黄斑部にダメージが起きる病気。iPS細胞移植の最初の対象疾患となっています)という病気用のものです。これも病気自体を治すわけではありません。片方の目に起きてしまった場合に、もう片方に起きるのを予防する、または黄斑変性の前段階であるドルーゼンと呼ばれる浸出斑が眼底にある場合に進行予防として使います。残念ながら100%の方に効果があるわけではありません。

 このあたりを患者さんに理解してもらうのはなかなか難しく、薬ではないサプリメントだから健康に良い、すべてのことに効果がある、と勘違いしてしまう方も多くいらっしゃいます。そのため、サンプルやリーフレットは院内にあえて置かず、対象患者さんにだけ渡すようにしています。院内で販売していないのもそのためです(クリニックにより考え方はいろいろなので、これは当院の方針です)。

 と、薬以外の口から入るものの治療効果について否定的に書いてきましたが、最近のドライアイ研究で結構驚いたものがあります。それは「カロリー制限がドライアイに良い」という一連の報告です。

 企業勤務の方たちのデータを解析したOsaka Studyと呼ばれるドライアイの研究報告があります。その中では、メタボリックシンドローム群では涙の分泌量が低下し、シルマーテスト5mm以下の発生率が約2倍となっていたそうです。シルマーテストとは涙の分泌量を計る検査で、写真のように(うちのスタッフにまたまた協力してもらいました)ろ紙を下まぶたのふちに引っ掛けて5分間計測します。涙で濡れた部分が10mm以上であれば正常、5mm以下だとドライアイの診断基準に当てはまります。また、動物実験では、自由にエサを食べていたラットは涙液分泌量が減少し、カロリー制限すると分泌能が保たれていた、という論文もあります(Biochem Biophys Res Commun, p724-728, 2010)。つまり、すごく簡単にまとめると、食べ過ぎると涙が減る=ドライアイになる、ということです。

[画像のクリックで拡大表示]

この先は会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)が4月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら