大学生活協同組合(以下、大学生協)と日経パソコンが共同開催しているプレゼンテーションコンテスト「日経パソコンカップ」の岩手大学予選が2013年8月3日に開催されました。参加したのは、岩手大学生協による「キャリアアップ講座」の受講生。各クラスから選抜された7チームが、PowerPointを使った5分間のプレゼンを実施し、そのスキルを競い合いました。

 「日経パソコンカップ」は、大学生協が新入生向けに提供しているパソコン講座の受講生を対象にしたプレゼンコンテストです。今回エントリーしたのは、秋田大学、岩手大学、東北学院大学、弘前大学、福島大学、山形大学の各大学生協。これらの大学生協では、パソコン講座の副教材として日経パソコンの教育機関向けコンテンツサービス「日経パソコンEdu」を採用しており、日経パソコンEduに掲載されたIT関連ニュースを取り上げ、プレゼンを行います。各学生の興味に従ってニュース記事を選択し、自分なりの調査や分析を盛り込みながら、ほかの学生に対して分かりやすく解説する、という課題が与えられました。

 そのプロセスを通じて、Word、Excel、PowerPointの使い方をはじめ、インターネットから情報を収集する能力、その情報を読み解く能力、編集する能力、また表現するための能力を養います。いずれも、大学におけるリポートや論文の作成・発表の場面で、また社会人になってからビジネスの場で必要となるスキルです。大学対抗戦となる決勝大会は9月に東京で開催します。

もうすぐ有権者、「ネット選挙運動」に注目

 見事、岩手大学代表の座を勝ち取ったのは、岩山恭平さん、遠藤秀平さんたちのチーム。公職選挙法の改正によるネット選挙運動の解禁について取り上げました。7月の参議院選挙で初めて解禁されたネット選挙運動は、これから有権者になる大学1年生には関心の高いテーマだったようです。参加した7チーム中、4チームがこのテーマを選択。それぞれに工夫を凝らしてプレゼンしました。

 その中でも岩山さんと遠藤さんのチームは、大学に入って一人暮らしをしている学生の中には、故郷から住民票を移していない人が多いことに注目。有権者となり故郷での投票が必要になったとき、ネットを通じて候補者の主張や活動に関する情報を得られるというメリットを解説しました。法改正の内容を単純に説明するだけでなく、自分たちの身近な話題に引き付けて説明した点は、学生ならでは視点として評価されました。スライドの構成や話し方にも工夫があり、聴衆を飽きさせない素晴らしいプレゼンでした。

 そのほか、多くの学生が利用しているスマートフォンを狙った「ワンクリック詐欺」の注意を喚起するプレゼンや、電子書籍のメリットや利便性を分かりやすく説明したプレゼン、Windows 8に対するWindows 8.1の改善点などを解説するプレゼンなどが披露されました。審査員を務めた大学生協東北事業連合 学びと成長支援事業部の田原靖之部長は、「今回いろいろなプレゼンを見て、学ぶところがあったはず。ほかの人のプレゼンを見て、その良い部分をまねしてください。その場で終わらせるのではなく、見て、まねすることを繰り返すことで、より良いプレゼンができるようになります」と講評。今回のコンテストを、単なる競争ではない、学びの場として生かすことを訴えました。

パソコンだけではない、「キャリアアップ」の講座

 日経パソコンカップは、パソコンを使ったプレゼンスキルの習得が主な狙いでしたが、岩手大学生協が手掛ける講座は、いわゆる「パソコン講座」とは異なります。「キャリアアップ講座」という名の下、学生が自分のキャリアについて考え、そのために何をすべきなのかを検討し、その行動に移すまでを目標としています。パソコンの基本的な使い方を学習することに加えて、「スチューデントEQ(SEQ)」というツールを使って自己分析をしたり、社会人になった先輩や大学院生などの話を聞きながら将来を見据えた学生生活を考えたりと、キャリアアップのための幅広い内容を含むそうです。現在は約270人が学んでいます。

 2012年度までは4~7月の前期のみで実施していましたが、2013年度は10~12月の後期にまで講座を拡大しました。夏休み前にスキルアップに向けた行動計画を立て、それを夏休み中に実行。後期ではそれを振り返り、何を学んだを深めていく、というカリキュラムを予定しています。

ネット選挙運動を取り上げたチームの一つ。デメリットや課題も示しつつ、ネット選挙運動のメリットを解説した
[画像のクリックで拡大表示]

電子書籍の利点を説明したチーム。付箋を貼ったり線を引いたりできるといった紙の利点を解説しながら、同じことが電子書籍でも可能で、さらにそれを上回るメリットがあるとした
[画像のクリックで拡大表示]

ネット選挙運動の解禁について取り上げ、岩手大学代表の座を勝ち取った岩山恭平さんと遠藤秀平さん。9月に東京で開催される決勝大会に挑む
[画像のクリックで拡大表示]

予選終了後は、参加者、スタッフ、見学者など全員で記念撮影。東北事業連合の田原部長は、「決勝大会は団体戦。代表チームを皆で応援し、また協力してほしい」とエールを送った
[画像のクリックで拡大表示]