2010年3月、「緊急!東京都が児童ポルノ規制の美名の下、思想統制への道を開こうとしている」という記事を書いた。同年11月には「東京都、いまだ思想統制への道をあきらめず、児童ポルノ規制条例の新案提出」で、再度この問題に警鐘を鳴らした。

 今、同問題は国政レベルで深刻さを増しつつ進行している。5月29日、衆議院に自由民主党、公明党、日本維新の会の共同で「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案」が提出された。この法案は、思想・言論の自由に関する重大な問題を抱えており、このまま可決されると後世の歴史書に「児童ポルノの規制をきっかけに、日本はファシズム国家への道を歩むこととなった」と書かれることになるかも知れない。

 結論を先に書く。同法案では、現実の児童虐待を防ぎ得ない。それどころか、憲法の保障する思想・良心の自由(憲法第19条)、言論・表現の自由(憲法第21条)を侵害し、さらには市民生活に対して警察権力の無制限の介入に法的根拠を与えてしまうこととなる。同法案は児童を保護するものではない。児童ポルノ規制に名を借りた、思想・信条の抑圧を可能にする法案である。

 本コラムでこのようなことを書くのは異例だが、この一文を読んだ後、危惧を感じた方は地元選出の国会議員事務所に、メールでもファクシミリでも構わないので意見を表明していただきたいと切に願う。一票を持っている地元選挙民からの意見は、議員にとっては無視しずらい。

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