韓国の通信キャリア3社の発表によると、携帯電話の番号はそのままでキャリアだけ乗り換える「ナンバーポータビリティ(MNP)」利用件数は2012年通年で約1057万件に上り、初めて1000万件を突破した。韓国の人口は5000万人前後なので、国民の5人に1人は利用した計算になる。キャリア側はスマートフォンとLTE加入者の奪い合いによる結果だと分析している。

 キャリアは新規顧客を獲得すべく、MNPで他社から乗り換えると端末補助金を支給し、新機種のスマートフォンを安く買えるようにする。代理店側が利用者を勧誘するため、契約期間が残っている場合は、違約金を代わりに払うための補助金を追加することもある。

 加入者を最も獲得したキャリアは市場シェア最下位のLGU+だ。LTE全国サービスと安い料金で、加入者が50万人純増した。歌手のPSYが「江南スタイル」の曲に合わせて踊りながら「U+スタイル!」と叫ぶ、笑えるCMも好評だった。

 利用者奪い合いが加熱した結果、放送通信委員会は規定を超えるマーケティング費用を使ったとして、キャリア3社に約2~7億円の課徴金と20日前後にわたる営業停止命令を下した。2013年1月からLGU+、SKテレコム、KTの順に営業停止期間が始まった。営業停止期間中は新規加入を勧誘できない。

 3月6日、営業停止の順番が最後だったKTが緊急記者会見を開いた。KTが営業停止している間に、SKテレコムとLGU+がスマートフォンに過度な補助金を支給してKTの加入者を奪った、移動通信市場の流通秩序を守らない、というのだ。KTの主張によると、キャリア2社は、月々の料金が約7000円前後の最も高いLTE料金制度に加入するのを条件に、GALAXY SIII、Optimus Gなど人気スマートフォンの端末価格より高い補助金を代理店に支給し、KT加入者がMNPで乗り換えれば、数百円でこれらの人気スマートフォンを使えるようにしたという。

 法律で定められた補助金は顧客1人当たり約2万4000円だが、SKテレコムとLGU+は10万円近く補助金を支払っている、通常は補助金が3~5万円の段階で課徴金や営業停止の対象になるのにこれはひどい、放送通信委員会がキャリア2社を調べるべきだ、とKTは記者会見で訴えた。

 SKテレコムとLGU+のPR担当者らは、「過度な補助金で他社の加入者を奪ったのはKTが先だ!」と猛反発。これに対しKTは、SKテレコムとLGU+の営業停止期間中には、1日2万5000件前後だったMNPが、KTの営業停止期間中は1日3万5000件を超えている、1万件も多いじゃないか!と憤慨した。SKテレコムとLGU+は、「KTのサービスが気に入らなくてほかのキャリアを選ぶ加入者もいるはずなのに、全て他社の補助金のせいだと記者会見まで開くのはおかしい」、「3月の新学期商戦の時期と営業停止が重なり、KTがかなり焦っているのは分かるが、他社のせいにする前に我が身を振り返るべきなのではないか」と怒りが収まらない様子である。

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