情報通信技術(ICT)は、教育の現場に確実に浸透し、学びの姿を変えつつある。本連載では、教育におけるICT活用の最新事例をさまざまな形で紹介しながら、その可能性を探りたい。
 第1回のテーマは、ベネッセコーポレーションがネット上で無料配信する生放送授業(ライブ授業)。同社の通信教育サービス「進研ゼミ」の中学生、高校生向けサービスとして展開するもので、多いときには1万人(同時受講7000人)もの生徒が集うほどの人気を博している。
 これほど多くの生徒が、一つの授業を同時に受講するのは世界的にも例がない。このサービスを企画・運営し、講師として出演もしている同社 教育事業本部 デジタル戦略推進部の大辻雄介氏に聞いた。(記事構成は編集部)

山内:大辻さんが「Ustream」を使って展開されているライブ授業、多いときには同時受講で7000人が集うと聞いたのですが、これは世界的に見ても珍しい事例だと思っています。今日は、そのお話を詳しく聞かせてください。

大辻:はい、承知しました。では、概要からご説明しましょう。

 ベネッセコーポレーション(以下、ベネッセ)の「進研ゼミ」の中学生、高校生向けのサービスで、現在、インターネットを使ったライブ授業を展開しています。Ustreamで動画を配信しつつ、ただの配信ではつまらないので、受講している生徒さんとの授業中のインタラクション(相互のやり取り)もある程度作ろうとしています。

ベネッセコーポレーション 教育事業本部 デジタル戦略推進部の大辻雄介氏。立ち上げ時からライブ授業に携わり、自ら講師も務める
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 画面には、講師にメッセージを送れる「ひとことメール」という機能と、「アンサーボタン」という機能を用意しています。アンサーボタンというのは、生徒さんに問題に答えてもらって、その回答の分布を表示するものです。もう一つ、講師側からのメッセージを流す欄もあります。生徒さんから寄せられたメッセージをピックアップして流したりすることもできます。

「進研ゼミ中学講座」のライブ授業の画面。中央で講義の様子を表示し、右側で「ひとことメール」「アンサーボタン」機能を用意する
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 最初は、2010年に、中学受験向けのサービスとして、小さく始めました。これに対して社内で共感が得られ、本格展開を始めました。2011年に進研ゼミで1000人単位で受講されるようになり、2012年の夏に同時受講7000人を記録しました。

山内:最初から、7000人集まると思ってました?

大辻:1000人はいくなと思っていましたが、“万”が見えるとは当時は思っていなかったですね。最初から大人数を狙ったというより、結果的に大きくなった感じです。

 ただ、進研ゼミの会員が20万人であることを考えると、3万人は突破しなければと思っています。2012年度に同時受講7000人、ユニークユーザー1万人を達成したので、2013年度は同時受講で1万人は必ず集めます。

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