新年度が始まる。新しい学校や職場で初めて出会う人々との生活に、緊張で心臓バクバク胃がキリキリという読者も多いことだろう。「俺、人見知りすんだよなあ……」なんて心の中ではつぶやいているくせに、強面だったり、筋肉ムキムキだったりするお兄さんがいたり、明るく元気に挨拶してすぐに職場に溶け込んだと思った美人のお姉さんが、あっという間にストレスで休職なんてこともある。

 人は見掛けによらない。見知らぬ人とのコミュニケーションは誰にでも難しい。だから4月は嫌だなあとか、人との出会いは苦手だなあ、なんて思いがちなのだけれど、コツさえつかめば、新しい生活は楽しくなる。

 爆発的な売り上げを記録している「中国嫁日記」は、漫画家の井上純一さんのブログからスタートしたベストセラーである※1。といっても、それまで僕は全然この本のことを知らなくて、その日、資料探しでたまたま検索窓に「中国」と入力したら、「中国嫁日記」が2番目に表示された。

 「中国嫁日記って何?」と思った方は、早速、井上さんの中国嫁日記の2010年7月7日のブログに飛んで、1日ずつ順番に読んでほしい。僕の場合、笑いあり、萌えあり、涙ありのリア充で、読者が思わず口にするもげろなリズムが心地良く、一気に1年半分を読み込んでしまった※2

 初日のブログ掲載直後のコメントは、7月10日と12日のたったの2件だけである。おそらく、これらは同人誌でもご活躍の井上さんを知る熱心なファンが付けたコメントなのだろう。ところが、それから約7カ月後に、もげろ祭りとなった2011年2月25日の「石和温泉郷新婚旅行事件 第6回」では、コメント数がなんと574件に達している。

 わずか半年少々で、いかに多くの読者を引き付けたのかが分かるのだが、そこにある読者のコメントは、いずれも好意的なもので、作者と読者との距離が極めて近い。そこにはなんとも言えぬ不思議な一体感がある。

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