ほとんどのスマートフォンやタブレットに搭載されているBluetoothですが、あまり使っている人はいない感じがします。筆者個人的には、比較的よく活用するのですが、周りを見るとそれほど使われていないようなのです。

 Bluetoothは、誤解されることが多いだけでなく、分かりにくいところもあり、なんとなく「波に乗り遅れた」感じがあります。このままだと、パソコンの赤外線通信のように廃れてしまう可能性もありえると考えます。とはいえ、赤外線通信は、パソコンでは廃れたものの、国内の携帯電話ではいまや必須機能。「ガラパゴスケータイ」の3大機能(おサイフ、ワンセグ、赤外線)の1つです。

 いろいろと原因として考えられることがあります。

 Bluetoothは、もともと、携帯電話に接続するヘッドセットのような機器をワイヤレス接続するために考え出されました。ただ、このときに、「PAN:Persoanl Area Network」というよく分からない名称を使ったため、無線LANのようなものだと誤解されることがありました。

 規格の立ち上げ時にありがちな、規格のちょっとした解釈の違いなどによりメーカーによって接続できない、いわゆる「相性」のような問題があり、「使えない」という評価を下されたままということもあります。特に普通の携帯電話では、Bluetoothはメーカーにより独自に実装していたため、設定や挙動が違うといった問題がありました。

 Bluetoothにはバージョンがいくつもあり、違いなどが分かりにくいのも問題の一つです(表)。例えば、Bluetoothの「4.0」と表記してある機器とBluetooth「3.0」と表記してある機器では、お互いに通信ができないことがあります。4.0には、新たに従来の3.0までとは互換性のないLE(Low Energy)という仕様が追加されました。このLEだけを実装した機器も「Bluetooth 4.0」と呼ばれるからです。パソコンやスマートフォンの場合、従来との互換性を考えBluetooth 3.0相当部分とLE仕様を同時にサポートすると思われますが、LEのみを実装した製品も「Bluetooth 4.0」には違いないのです。

 これまでは、例えばBluetooth 3.0とBleutooth 2.1の機器同士は通信が可能でした。しかし、4.0からは、機器の組み合わせによっては、Bluetoothのバージョンが違うと通信ができないことが起こるのです。これは、規格を理解した人には分かることなのでしょうが、誰にでもすぐ理解できることでもありません。

バージョン概要Windows 7VistaXP SP2
1.0b/1.0b+CE初期バージョン。以後のバージョンとの互換性がない×××
1.1規格を改定したもの。事実上の最初のBluetoothバージョン
2.0最大3MbpsのEDR(Enhanced Data Rate)のサポート
2.1ペアリングの簡略化△*1×
3.0最大24MbpsとなるHS(Hight Speed)のサポート×××
4.0超低消費電力通信LE(Low Energy)仕様を追加×××
*1:EDRはSP2から対応

 マイクロソフトの対応が後回しにされたため、Windows Vistaが出るまで「標準」がなく、ソフトウエア的な問題があった点も影響しています。マイクロソフトがBluetoothを標準でサポートしたのは、Windows Vistaからです。Windows XP SP2からもサポートされたとはいえ、限定的なものでした。しかも、3.0以降には対応していません。3.0以上対応の機器を使うには、サードパーティ製のBluetoothスタック(ソフト)を使うのが必須になります。

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