ネットフリックスが苦境に立たされている。

 ネットフリックスは、日本で言えばツタヤのようなDVDレンタルサービス。レンタルショップに出かける必要なく、家のパソコンで予約をすればDVDが届き,見終わったら同封の封筒に入れて郵便ポストに投函するという、賢いアイデアを生み出したところだ。路面店のブリック&モルタル風の「モノ」と、インターネットの便利さを巧みに組み合わせたことが功を奏し、アメリカでは2300万人ほどの契約者を獲得していたのだ。

 単身者から家族持ちまで、身の回りはネットフリックスの契約者ばかりというほどの人気を誇るサービス。ところが、ここ数カ月にわたって目も当てられないような失態を繰り返している。ことの始まりは、さる7月に契約料の値上げを発表したことだった。

ネットフリックスのWebサイト
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 ネットフリックスは、視聴契約料が激安なのも魅力のひとつだった。DVDを1本ずつ借りるのは、月額10ドル。1本と言っても、すぐに見てすぐに返せば、ネットで予約しておいた次の1本がまた送られてくる。上手に回していけば、ひと月20本を借り出すことも不可能ではない。それがたったの10ドル。しかもこれに、途中からストリーミング見放題のサービスが付いてきたのである。ウソみたいに安い。

 だが、7月の契約料変更でDVDとストリーミングがそれぞれ8ドルの別料金になり、両方の方法で見ようとすると16ドルにもなってしまったのである。60%の値上げだ。
 これに、ユーザーが怒った。多くの契約者がDVDだけ、あるいはストリーミングだけのサービスに変更し、またネットフリックスを利用すること自体を止めてしまった人もかなり多いらしい。同社の株は下がり、もっとも愛されるサービス企業から、もっとも嫌われる企業に成り果ててしまった感じだった。

 その騒ぎの記憶も消えやらぬ先、今度はDVDレンタルとストリーミングサービスを別会社にすると発表した。CEO自ら、「この前の値上げについては、謝りたい。説明不足だった。過去の成功に傲慢になっていた」などと切り出したものの、この会社切り離しを発表して、ユーザーにさらなる追い打ちをかけたという感だ。DVDレンタルとストリーミングで別々の登録が必要になり、手間はかかるわ、ややこしいわで、ユーザーはまたもや怒っているのである。

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