■「シェア 〈共有〉からビジネスを生み出す新戦略


著者:レイチェル・ポッツマン、ルー・ロジャース
訳者:関美和
監修・解説:小林弘人
発行:NHK出版
価格:1400円

 2010年は電子書籍元年と言われながら、終わってみると、あまりたいした進展はなかった。電子書籍を読むためのデバイスがようやく出そろってきた、という程度の印象だ。

 電子書籍の3大プラットフォーマーといえば、Amazon、アップル、Google。iPadを買う前はiTunes Storeからどんどん電子書籍を買える先進的なイメージがあったが、実際に購入できるのは英語の書籍ばかり。

 茫然とする日々が続いた。どういう事情があって、日本の出版社がAmazonの電子書籍やiTunes Storeに積極的に進出しないのかはよく分からない。現在のワークフローに電子書籍を取り入れるのが難しい、日本語の表現力の問題、印税分配の問題など、問題山積で、出版業界全体として足並みをそろえるのが難しい事情はよく分かる。が、せっかくiPadを買ったユーザーからしてみれば、「これで本棚の心配なしに本を買える!」と期待していただけに日本市場の動きの鈍さにはがっかりだ。

 最近になって、巨大な販売プラットフォームに乗せる以外の販売方法がじわじわと広がってきた。書籍の「アプリ化」である。中身のコンテンツとリーダーアプリを一体化し、App Storeで売るという方法だ。

 リーダーアプリは出版社単位で用意することもあるし、本連載の4回目で紹介した「将棋世界」のように雑誌単位で用意することもある。書籍アプリには、画面にアイコンが増えてしまったり、多数の本を串刺しで検索できないなどのデメリットもあるものの、本を読むという体験では遜色ない。

 ということで、今回はアプリ型の電子書籍「シェア 〈共有〉からビジネスを生み出す新戦略」を紹介してみたい。リーダーアプリは個別に搭載機能が異なるので、そのあたりから話を始めよう。

「シェア<共有>からビジネスを生み出す新戦略」の表紙。独自のリーダーアプリで読む。
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