■「将棋世界icon


発行: 毎日コミュニケーションズ
価格:リーダーは230円
(雑紙は1号当たり600円。現在は12月号を含む形でリーダーを発売中)

iconicon

 iPadでブレイクするコンテンツとして期待されているのが「雑誌」だ。紙で流通している雑誌が電子化されることで、さまざまな可能性が開ける。

 例えば、写真をタップすると、そのまま動画として動き出す、文字の大きさを自分で調節するといった機能の数々だ。

 では、なぜ、読書デバイスとしてiPadが期待されるのか。

 答えは二つ。

 雑誌は、文庫や新書、単行本に比べると、複雑な誌面構成になっている。雑誌の誌面を表現するには、大きな解像度のディスプレイが必要だ。

 さらに、動画や音声などのマルチメディアを扱うためには、CPUの性能が高くなければならない。

 この二つの条件を満たすデバイスは、現状、iPadのみである。
 既にさまざまな雑誌が電子化されて流通している。既存の雑誌をPDF形式で安価に提供するサービスもあれば、紙版は存在せず、iPad専用に編集している「Air」(エア)のような試みもある。

 が、どちらの形も、筆者の待ち望んでいる電子雑誌の姿ではなかった。

 PDF形式は、複雑なレイアウトを再現するという目的には合致している。しかし、インタラクティブな表現は盛り込めないし、ページという(紙の時代の)概念に縛られているため、紙からディスプレイに器を移し替えただけという感じが否めない。

 出版社に頼らず、著者たちが自分で発信の場所を作るために作った「AiR」は、6月に第1号が出てから半年が過ぎようとしている。もうすぐ第2号が出るようだが、半年に一度のペースは雑誌というよりアンソロジーだ。

 ということで、「どうも新しさを感じさせてくれる雑誌コンテンツが出ないなあ」と嘆いていたら、意外なところから電子雑誌刊行のニュースが飛び込んできた。
 何とまあ、老舗の将棋専門誌「将棋世界icon」である。

専用リーダーアプリで表示した「将棋世界」2010年12月号の表紙。1冊当たりのデータサイズは約100MB。
[画像のクリックで拡大表示]

この先は会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら