エクセルの図形描画機能で10cm×10cmの正方形を描いて印刷すると、ぴったり10cm×10cmにならないって、ご存じでしょうか。

 私はこれで3日はハマりました。日経PC21最新号(2011年1月号)の特集「作る、書く、直す!PDF必勝ワザ」を書いていたときの話です。

 申請書などのPDFを下絵としてエクセルシートに貼り付け、背景色と外枠線を透明にしたテキストボックスをその上に置いて文字を入れれば、あたかも書き込んだように見えるじゃん! という章を担当しておりました。

 実際、印刷すると、それはそれは美しく仕上がります(もちろん、いろいろとコツはあるんですけれど)。

 ですが、問題は“実寸”での作成。まず、アドビリーダーでA4判のPDF全体をコピーして、エクセルに図として貼り付けます。そして図の書式設定画面を開き、数値指定で寸法をA4判サイズ(210mm×297mm)にします。ところが印刷すると、設定通りの寸法にならないのです。1割ほど小さく印刷されてしまい、A4判サイズになりません。

 先の正方形問題と同じ理由です。エクセルでは処理速度を優先するために、画面描画の正確さを犠牲にしています。よく耳にする「印刷すると文字が途切れる」といったトラブルもこれが原因です。図(画像)や図形(オートシェイプ)でも似たような問題が起こるのです。

 困りました…。悩みました…。裏技も使いました。実は、図を拡張メタファイル形式で貼り付けると、画面上では変わりがありませんが、印刷すると指定通りの寸法になります。しかし、「画面上では変わりがない」というのがクセモノです。要するに、実寸になるのは印刷時だけ。印刷すると、拡張メタファイル形式の図だけが勝手に1割ほど大きくなるといった感じなのです。これでは下絵の申請書に合わせてテキストボックスを配置しても、印刷時に下絵だけ大きくなってずれてしまいます。一難去ってまた一難です。

 で、結局、ワードを使うことにしました。なんと、全くずれません。画面上でも印刷しても、A4判サイズぴったりです。

 最初からワードでやるべきでした。ほかにエクセルの連載を担当している手前、「意地でもエクセル!」とこだわったのが敗因でした。「寸法が微妙にずれるので、印刷プレビューを見ながら適宜調整しよう」などと、言いワケ原稿まで考えていた私がバカでした。

 それにワードの方がエクセルよりも、テキストボックスの機能がはるかに豊富です(エクセルも2007以降なら結構やれますが)。タブやインデント、個条書きも使えますし、行送りや文字詰めなどの微妙な調整もできますから、今回のような目的には断然向いています。

 このワードによる「なんちゃってPDF文字入力」、特集では「ワード下絵作戦」と名付けております。本日11月24日発売の日経PC21(2011年1月号)です。ご一読いただければ幸いです。