今年の紅葉はどこもぱっとしないらしい。夏の猛暑で山の木々は痛めつけられ、冬支度に入る前に枯れ、木の実は実る前に落ちてしまった。おかげで山に住む熊たちの食料が無くなり、里にまで降りてくる異常事態まで引き起こした。しかも、色づくのが遅い。でも、妙高ならもう美しい光景が広がっているのでは、と期待してMacBook Airと一緒に旅に出た。

この軽快感、10年待ってました

 Windows搭載ノートパソコンは小型軽量化競争に早くから突入し、いまや500g以下なんて機種も珍しくない。もちろん、そうなってくると液晶画面は4.8型、まさに微細モデルとでも呼ぶべき形態となり、老眼鏡が必要な世代にはもはや取り扱い不可能になってくる。これで仕事をこなす必要がある場合は、生産性もかなり犠牲にしなければならない。

 アップルはこの分野、昔からほとんど無視してきた。小型軽量のMacを待ち望んでいた我々日本のユーザーはスティーブ・ジョブズに有志で直訴する手紙を書いたりしてすっかりお願いモードだったのだ。2008年1月、光学式ドライブ、イーサネットなど多くの機能をそぎ落として薄く、軽く作った「MacBook Air」が登場した。待望のモバイルノートだったが、キーボードを小さく作れば操作性が損なわれるとして、フルキーボードを捨てず、前MacBook Airは1.36kg、電源も持ち歩くとなるとバッグはずっしり重い存在感あふれる製品だった。

 日本で10.4型XGA液晶を搭載し、重量1kgを切るモバイルノートが登場したのは2004年5月。モバイル志向の強いLet's noteシリーズの中でも、最もモバイル向けに作られた松下電器産業(現パナソニック)のノートPC「Let's note R3」がそのさきがけだったが、アップルはその動きなどどこ吹く風。

 CPUはPentium M 1.1GHz、ディスプレイは10.4型TFT(1024×768ドット)、搭載メモリー256MBと、今となってはなんとも懐かしい仕様だ。日本人のマックユーザーは、米国人はいつも車で移動しているし、手も、指も太い、小型化は夢の夢だな、と諦めるしかない風潮だった。しかし、そんな流れがようやくMacにやってきた。今度の新しいMacBook Air(Late 2010モデル)は11.6型ディスプレイを搭載した「11インチモデル」で1.06kg。重さだけで比較すると、ようやく日本のモバイルノートの範疇にわけ入ってきたというところだ。

 しかし、そのデザイン性たるや、アップルの本領発揮。滑らかな曲線に削り出された無垢のアルミボディーは、触っていると本当に高級感が伝わってくる。薄板を伸ばしてプレス成形した構造とは全く異なり、押しつぶしやねじれにとても強い。これならリュックの中に押し込んでも安心して持ち歩ける(だからといってむき出しでつっこんでいいなんて言ってませんよ)(図1)。

図1 パームレストの部分が薄く、キーボードが打ちやすい。フルキーボードなので確実なタイピングができ、長文を入力するときなど疲れない。ストレージがフラッシュメモリーであるため、熱くならず長時間利用しても快適。ひんやりとして、いつも気持ちがいい。
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 そういうわけで、モバイル向きのMacを待ち望んで10年、ようやく、待望のマシンが登場してきたと言える。これなら記者会見やセミナー会場、あるいは旅先での原稿執筆などにこころゆくまでこき使える。内蔵メモリーも最大4GBまで積める。先々週紹介したWindowsを中に飼うことだって、余裕でできてしまう。

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