GoogleとAmazonの、出版業の慣習と出版権を巡る闘いをMicrosoftは静観している。一時、Amazonは出版界の巨人ともいうべきMacmillanを威嚇しようとして、AmazonのWebサイトからMacmillanとその子会社の新刊本を「買う」リンクをすべて削除するという行動に出た。子会社にはTor Booksも含まれている。そのため、しばらくの間、NivenとPournelleの合作による「Escape from Hell」を含む私のTor Books刊行のすべての新品の本がAmazonから買えなくなった。これは無断で行われ、2日後に、これもまた無断で元に戻った。ただし、完全に元通りにはならなかった。例えば、Escape from Hellの印刷版は発注できないが、Kindle版は9.99ドルで発注できる。ユーズドの印刷版も発注できるが、違いは、私はKindle版からは印税をもらえるが、ユーズド版からは何ももらえない点だ。なぜ新しい印刷版が全くないのか私には分からない。書店にはまだある。だが、Tor Booksはこの春ごろにペーパーバック出そうとしているので、それと何か関係があるのかもしれない。正直に言うが、私は知らない。Tor Booksにハードカバーの在庫がないとは思えない。

 同じくTor Books刊行の私の「Starswarm」はAmazonで買える。ところが実に奇妙なことに、Amazonで検索すると「ハードカバーは絶版」のページに連れて行かれる。そこからペーパーバック版に行くことができるが、自分でやらなければならない。自動的には行かない。どうやら、Amazonが屈服し、修復した時、きちんと修復されなかったようだ(Starswarmは、Algis Budrysが「Heinleinのようなスタイルの児童書」と好意的に評価してくれているのだが、これが欲しければ、書店かこのAmazonリンクで見つけることができる)。

 他の著者も同じ問題を抱えている。この戦争はAmazonとMacmillanの間の闘いで、誰も著者に彼らの意見を求めなかった。これは価格設定にまつわる戦争だ。つまり、Amazonはほとんどの電子書籍を9.99ドルないし、それより低い価格に設定したいと望んでいる。出版社はそうしたくない。出版社は柔軟性を求めている。本が最初に刊行された時は高めの設定にして、徐々に下げていく。印刷版の価格はこのやり方が取られていて、出版社はそれを守り続けたい。

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