NFC(Near Feild Communication)を使ったことはありますか? NFCは、非常に短い距離で行う無線通信の総称ですが、具体的には、「非接触カード」などで使われている無線通信技術などを指します。SuicaやPASMO(関東在住なもので……)や、多くの携帯電話に搭載されているモバイルSuicaとかおサイフケータイとかそういうものに使われている技術です。日本だと、恐らくすでに多くの人が使っているのだと思われます。後ほど説明しますが、NFCと非接触カードは似ているけれどもちょっと違う概念です。

 日本では広く使われている非接触カードですが、世界的に見ると、非接触カードやNFCの利用はまだまだこれからです。交通機関だと、日本以外では、香港と台湾ぐらいでしか見たことがありません(話によるシンガポールにもあるそうです)。一度、アメリカで泊まったホテルの部屋のカードキーが非接触カードだったぐらいでしょうか。

 そもそも非接触カードとはどんなものなのでしょうか? 技術としては、無線通信技術とICカードの技術に別れます。ICカードの部分は、クレジットカードなど金色の接点が付いたカードで使われている技術です。これは、ISOで規格化されていて、現在使われているICカードの大半は、これに準拠したものです。簡単に言うと、非接触カードとは、情報を読み書きするICカードの接続部分を無線化したものと言えます。

 非接触カードの技術としては、ISOで規格化されたものと、規格化はされていないものの広く使われている「FeliCa」があります。ISOで規格化されている技術(ISO/IEC 14443)は、蘭ロイヤル フィリップス エレクトロニクスが作った「MIFARE」と呼ばれる技術がベースになっている「Type A」と、モトローラが開発した「Type B」があります。日本でも、住基カードやIC運転免許証でType Bを採用しています。FeliCaは、ソニーが開発し、Suicaで採用されたため、その後、日本で多く採用されました。

 NFCは、非接触カードからICカードに関する部分を取り除いた、通信の互換性やデータの転送を定義した規格です。このため、NFCを使う機器同士が通信できるようになるのです。FeliCaとMIFAREの通信を統合した規格がISO/IEC 18092(その後ISO/IEC 21481としてTypeBも統合した)として規格化されています。一方で、通信データをカードにどう保存するかなどは、別の規格になります。その意味では、非接触カードとは、「NFC」と「ICカード」を組み合わせたものと言えます。

 現在、国内で使われている多くの携帯電話に搭載されている機能は、このNFCに準拠したものです。専用チップで通信し、これを携帯電話側のアプリケーションで処理します。このような構造になっているため、サービス用のアプリケーションをダウンロードすれば、各種のサービスに対応できるようになるわけです。

 NFCとして近距離の無線通信が規格化されたため、カードリーダーなどは低価格で提供されるようになりました。例えば、住基カード用として提供されている非接触カードリーダーでは、Type B対応の住基カードだけでなく、FeliCaを採用するSuicaにもアクセスできます。また、携帯電話を非接触カード替わりに使うこともできます。

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