聞くところによると、米国で最もよく使われているパスワードは「1234」と「password」だそうだ。

 そう聞いて、ドキっとした人も多いのではないだろうか。これほどあからさまではなくても、誕生日や子供の名前など、他人にバレやすい簡単なパスワードを使っていると、いつ勝手に利用されてしまうかわからない。だから、大文字や小文字、数字、記号などを混ぜた、ランダムな文字列にするのがよいとされている。

 とはいえ、複雑なパスワードは覚えるのが難しい。今のウェブブラウザーなら、1回ログインしたサイトの情報を記憶してくれるが、これが有効なのは、ログイン作業をしたパソコンだけ。仮に会社のパソコンでパスワードを記憶させても、家のパソコンからアクセスしようとすると、もう一度入力し直さなければならない。

 私は、ウェブメールにRSSリーダー、書籍やCDの購入、列車やホテルの予約と、仕事でもプライベートでも、ログインが必要なウェブサイトを毎日多数利用している。このため、覚えておかなければならないユーザーIDとパスワードが膨大になり、この管理がいつも悩みの種だった。ところが先日、この悩みからすっかり解放されたのだ。

 それは、「LastPass」というフリーソフトを発見したため。これは、IEもしくはFirefoxのアドオンとして動作する(図1)。

図1 Firefoxを愛用している筆者にとって、Firefoxのアドインとして利用できる点が便利だ。利用するウェブサイトの数が膨大になっても、分野別にフォルダを作って整理できる
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 LastPassにはユーザー登録が必要で、この際にLastPass用のパスワードを決める。これが、“マスターパスワード”の役目を果たす。以降は、ウェブブラウザーを起動するごとに、LastPassのサービスにログインすることを求められる(図2)。ここでマスターパスワードを入力しておけば、それぞれのウェブサイトでは、LastPassの管理ソフトがユーザーの代わりに、自動的にIDとパスワードを入力してくれるのだ。

図2 ウェブブラウザーの起動時に、マスターパスワード(LastPassのパスワード)を入力して、LastPassを有効にしておけばよい(→図3)

図3 あとは、ログインが必要なウェブサイトを訪れると、自動で適切なIDとパスワードが入力された状態になる

 個別のサイトでは、初めてログインするときのみ、ID/パスワードを入力する必要がある。ここで入力したアカウント情報は、自動的にLastPassに登録される。LastPassのサーバー上では、こうした情報は暗号化されて保管されている。会社でも、自宅でも、LastPass用の管理ソフトをインストールすれば、どのパソコンでもこの情報を取り出せる。

 初めて訪れるサイトで会員登録する際には、解読が難しいパスワードを自動で作成してくれる機能が便利(図4、図5)。パスワードを考える手間も不要なのだ。

図4 新しいサイトに登録するときなど、新規のパスワード入力画面をLastPassが検出すると、自動的に解読しにくいパスワードを作成してくれる。
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図5 パスワードの長さや大文字/小文字の混在、記号を使うかなど、細かくパスワードの生成条件を設定できる

 LastPassはパソコンばかりでなく、iPhoneでも利用できる。iPhone用アプリも提供されているので、これをインストールすればよい(図6、図7)。私がiPhoneを使っていて不満を感じていたのが、ユーザーIDやパスワードの入力。iPhoneのキーボードで入力するのは、かなり苦痛だった。しかし、LastPassがiPhoneに対応してくれたので、この苦痛がほぼゼロになった。

図6 iPhone用のLastPass画面。この画面から、開きたいウェブサイトをクリックする(→図7)

図7 iPhoneの「LastPass」から「ミクシイ」を開いたところ。開いた時点で、ログインに必要なIDとパスワードが入力された状態になっている。LastPassをパソコンだけで利用する分には無料だが、iPhoneでも利用する場合は、年12ドルの利用料が必要

 もはや、パソコンでもiPhoneでも、私のインターネットライフはLastPassなしでは考えられない。パスワード管理で頭を悩ませている人には、かなりお薦めだ! ぜひとも活用していただきたい。