事の起こりは、2年間使っていたドコモの携帯が壊れたことにある。

 壊れたと言ってもストラップを付ける部分がもげたというだけだ。普通は落ちないようにひもを通すだけだが、心配症の俺は金属の輪っかを通していた。すぐにポケットから滑り落ちてしまうから大事を取っていたのだ。それが仇となり、携帯のプラスチック部分が負けて壊れたのだ。まあ、それだけだったら携帯自体は壊れていないので買い換えようとはしない。しかし、長年俺の手足をなって働いてくれたウィルコムのW-ZERO3の調子も、時を同じくして悪くなってしまった。メール本文は見られるのだが、添付されたWordやPDFが、なぜだか開けなくなった。今まで開いてくれてたのに、最近急に「エラーが発生しました」と機嫌を損ねるのだ。

 簡単な原稿はいつもW-ZERO3で書いていたし、頼まれたブログの更新にも重宝していた。不満を一つ上げるなら、カメラでマクロ撮影ができないことだ。漫画喫茶で探し当てた面白漫画の表紙を、覚える代わりに撮っておこうと接写しようとするとピンボケになってしまう。そこでしゃがんだり立ちあがったりして撮影していると店員のお兄さんから「店内での変な行為は禁止です」と怒られたりするのだ。

 いつもこのW-ZERO3を持っているわけではない。「一生短パンで過ごしたい」と裸一貫主義の俺は軽量命なのだ。仕事で着る着物だって全部まとめて500mlのペットボトルと同じ重さだ。羽織りなんて着ないし着物は冬でもペラペラの単衣1枚だ。そんな俺が、W-ZERO3は重量300gとモバイル機種の中ではめちゃ軽い部類に入るとは言え、使う予定の無い300gの機械を常時持ち運ぶわけがない。しかしそんなときに限り、偶然入った漫画喫茶で面白漫画を発見したり、添付の原稿をチェックしたり、パソコン宛のメールをすぐにチェックしなくてはいけなかったりすることが起きる。慌てて体をまさぐれば持っているのは携帯電話のみ。そこで途方に暮れる。

「ああ、原稿が素早く打てて、カメラもばっちり撮れて、パソコン宛のメールもチェックできて、添付ファイルも見られる携帯はないかしら?」

 そんな願いが届いたのか、キーボードが付いた携帯がいくつか発売されていた。だが結構な値段である。「俺には必要ないもんね」とあえて無視していたが、今こういう状況になると気になってしょうがない。そこで1番気になっていたSH-04Aに狙いを定め情報を集めた。

 まずドコモショップに行って聞いて見ると当たった店員によって言うことが微妙に異なる。

「PCメールは見れますか?」

という問いに、

「それはご自身のプロパイダーと契約してください」

というそっけない答えもあれば、

「はい、この機種は添付ファイルが開けますので、PCメールと相性が良いですよ。PCメールの転送をお客様のプロパイダーに申し込んでください」

と教えてくれる人もいた。

「Wordを編集できますか」

と聞けば

「それならT-01Aじゃないと」

と別の機種を薦められたりもした。

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