経済ニュースの大半は悪いものばかりだ。しかし一つ変わらないことがある。技術の進歩は続いている。ムーアの法則はまだ有効だ。我々は今も技術の「S字」カーブの上昇部分にいる(S字カーブの詳細については、Possonyと PournelleによるThe Strategy of Technologyを参照)。2009年の技術の将来についてもっと詳しく知りたければ、最近の技術、エンターテインメント、設計に関するコンファレンスでのL. Gordon Crovitzのレポートを参照してほしい。

 私は昔、コンピューター革命の初期の時代によくTEDコンファレンスに行った。コンピューター業界を盛り上げる盛大なコンファレンスの多くは開催されなくなったが、TEDはまだ行われていて、興味をそそるものもある。マイクロコンピューターとWWWの革命に匹敵する少なくとももう1つの革命を実現する技術があるはずだ。我々がしなければならないのはそれをどんどん進めることだ。その革命がどのようなものかについては意見が分かれている、しかし候補はある。

 TEDコンファレンスで議論された次の革命の候補の一つがWWWの発明者として知られているTim Berners-Leeによって提案された。彼はデータ革命を提唱している。今インターネットからあふれている莫大な量のデータを互換性のあるフォーマットへ変換して、全く違う種類のデータの関係を検索できるようにするのだ。

 これによって、新しい相関性が見つけられるようになり、そのことが新しい反証可能な仮説を検証して、科学的な突破口に結びつくかもしれない。とても起こりそうもない事象を見つけることが必ずしも新しい発見ではないのと同じように、相関性の発見そのものが突破口ではないことは認識すべきだ。Duke大学のJ. B. Rhineの研究を考えてみればよい。大学生がRhineカードを使ってテレパシー能力があるか実験した。そして彼らは何の疑いもなく超能力(ESP)は存在すると考えた。彼らが発見したことはとてもありそうもないことだった。結果の中には10万分の1ほどの確率でしか起こらないものもあったのだ。10万回以上の反復実験が行われたというのはかなり驚くべきことだ。十分な反復実験が行われれば、起こりそうもないことが可能になるだけでなく、必然になる。

 Rhineの驚くべき被験者は、もちろんテレパシーについては誰よりも良い結果を出した。ESPを信じる人々は、なぜ自分たちが霊的能力を失ったかまだ模索している。しかし、より論理的な説明をすれば、彼らはもともとそのようなものは持っていなかったし、確率の法則は予想以上に正確に機能するということだ。しかし、一つ指摘しておくが、私はより多くのデータを互換性のあるフォーマットにすることが多くの科学的な進歩に結びつくと確信している。そのために必要なのは、科学的手法を適用することだ。データマイニングは仮説を生み出す。それらを明確な反証可能な理論に高め、それから理論を検証すべきだ。それは内臓の検査ほど確定的ではない。しかしその方が効果的だ。

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