大人側の意識を改革するための具体案が何も提示ないままに、単純に「携帯電話によって回避される危険」と「携帯電話によって誘発される危険」とを天秤にかけた『携帯電話持ち込み禁止』に大きな問題がある!と、ここ数カ月は小中学生のネット環境に感覚がシフトしていた私でした。

 が、「大学では“できる前提”、“できて当たり前”で通されてしまうことなのに、高校で教えを受けた学生はごくごく希少」なIT活用知識がたくさんあるという実情を目の当たりにし、今の時代だからこそ必要な情報教育の具体的内容を書かせていただくことにしました。

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 高等学校での勉強は、往々にして「大学受験」というピンポイントに目標が絞られがちですが、本来は「大学生(になること)」が目的のはず。もちろん、そのための通らなければならない関門が「大学受験」なのですが、受験に合格するための勉強に注力しすぎると、大学に入ってから必要な基礎知識を知らない学生となってしまいます。
<参考>センター試験では選択科目として「情報関係基礎」も並置出題されているようですが、出題傾向を見ても、残念ながら一般大学生が役に立つ実用的なナレッジとはほど遠い内容となっています。

 大学生ともなると、レポート作成や就職に向けての準備などでパソコンやネットを実用レベルで使わなければならない機会がグンと増えます。これは、専門学校へ進む人も、就職して社会に出る人も一緒で、高校までは学びの対象だった「情報処理」が、一瞬にして実際に活動するために必要な「道具」にチェンジするということです。英語に置き換えて例えるなら、試験でいい点数を取るために英語の勉強をしていたのに、卒業したら突然、外人の先生(あるいは上司)への英語でプレゼンテーションが必須になった、という感じでしょうか。

 大学全入時代に突入し、誰もが大学生になれる可能性を得ました。一部の大学を除けば、ふるい落とすための入試から、入学させるための入試(これが本来の姿なのでは?)に変わりつつあります。高校は予備校ではないのですから、最低限、大学で必要な基礎的ITの知識くらいは身につけて卒業させてあげたいものです。

 高校三年生の情報処理を受け持つ先生も卒業までに間に合わせられる、高校生・大学生でも読めば分かる『実用IT基礎ナレッジ』の要点を、「レポートなどの提出物」と「就職のために」の2回に分けてご紹介します。

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