日本の新聞に就職難から、民間企業よりも、資格取得や公務員への就職が人気を集めるようになったという記事が載っていた。成人式のインタビューでもみんな「この先が不安」、「就職しても仕事を続けられるか不安」と、不安という言葉がたくさん出ていた。日本で今年成人を向かえた世代のように、韓国にも苦労ばかりする世代がある。

 1998年2月に大学を卒業したIMF経済危機世代である。韓国は1997年のアジア通貨危機の際、IMFの支援を受けた。そのまっただ中に社会に出た世代は社会にでる以前から苦労してきている。大学入試は94年から大幅に変更され受験も難しくなり、やっと卒業できたと思ったら今度は大手企業が次々に倒産。韓国から外資系企業が撤退していく状況で、新卒を採用するまともな企業はどこもなかったと言っていい状態だった。

 韓国は徴兵制があるため、大学4年+軍隊2年6ヶ月(現在は2年に短縮された)を含めると、男性はどんなに早くても新卒時で25歳。就職浪人になってしまうと、あっという間に30歳になってしまう。これは焦るしかない。医者、弁護士、教員、公務員など、不況になっても需要がある職業は限られている。企業はスズメの涙のような給料しか出さないくせに、「スーパーマン」を求めたため、新卒者たちの資格取得戦争が始まった。TOEICなんて950点ぐらい取らないと応募も出せない。さらに日本語と中国語の検定試験を受け、海外で語学研修経験を積み、ボランティア活動経験や公募選などの入賞経験も履歴書に書いていないと書類で落とされる。子供の世話なんて大学受験まで、と思っていたのに、今度は就職のためにものすごいお金をかけて海外にも行かせ、資格学校に通わせ、親の苦労は続くばかりである。

 地方公務員試験なんて1000倍を超える競争となっている。企業の就職だって500倍とか700倍とか平気で超えてしまう。履歴書に貼る写真もできるだけ写りをきれいにしたいとフォトショップで修正したり、目つきが悪くて就職できないみたいと男性の二重手術が流行ったり、就職のためにここまでするか!!というぐらい必死にならないといけない時代になった。

 ただ、こういった状況のおかげで、就職をあきらめてITベンチャーを立ち上げ成功した人もいる。海外に目を向けて、ロシア、アフリカ、南米などの新興市場でビジネスを立ち上げ、そこそこ成功した若者も増えてきた。厳しい経済情勢が、韓国がだめなら世界に自分を売り込めばいいと、グローバルな考え方をできるようにしてくれた。

 そして、今回の米国発の経済危機だ。IMF経済危機世代がやっとの思いで就職し、30代中盤に差し掛かったところで、またもやリストラの窮地に立たされている。働き盛りの30代でもう首になるなんて、呪われた世代としかいいようがない。家電メーカーや大手企業は、リストラが噂になると企業のブランドイメージに打撃を与えるので、内密に解雇を進めているという。解雇された人も、リストラで大量解雇された能力のない人と思われるよりは、自分の足で出てきたと言った方が再就職しやすいと思っているからだ。

この先は会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら