前回、次はアメリカの新有人月探査計画について書きます、としましたが、ちょっと面白いトピックが飛び出してきたので寄り道します。

 天文学の世界では、この8月、ついに太陽表面の黒点がひとつも観測されなかったということが話題になっている。1カ月もの間黒点が消えたのは1913年以来とのことだ。

アメリカ、欧州共同の太陽観測衛星SOHOは1995年の打ち上げ以来13年にも渡って、地球から太陽方向に150万kmの所に存在する力学的安定点(通称ラグランジェ1点)で、太陽の観測を行っている(Photo by NASA, ESA)。
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2008年8月15日にSOHOが撮影した太陽(Photo by NASA, ESA)。黒点がまったく存在しない、のっぺりとした太陽表面が写し出されている。
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 これは、ひょっとすると昨今話題の地球温暖化に大きな影響を与える“事件”かも知れない。

 太陽を直接見ると、目を痛めてしまう。通常は濃い色の減光用フィルターを通して見たり、望遠鏡で白いボードの上に太陽像を投影したりして観察する。すると、太陽は一面のっぺりと輝いているのではなく、ところどころに黒いシミのようなものが存在するのを見ることができる。これが太陽黒点だ。

 太陽の表面温度は6000℃もあるが、黒点の部分はそれより幾分低く、約4000℃しかない。温度が低い分、周囲よりも相対的に暗く見えるわけである。

 太陽には地球と同じような磁場が存在する。太陽黒点は磁場の活動と関係しており、太陽磁場が強くなると多数出現し、弱くなると消えるという性質を持っている。太陽磁場は、太陽自身の活動と密接に関係している。太陽が活発に活動すると磁場も強くなり、黒点も増える。

 つまり、黒点によって太陽の活動がどの程度活発かを知ることができる。太陽が活発に活動している時期は、多数の黒点が出現するし、逆にそうでもない時期には、黒点が減少する。

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