印刷物の未来

 先月、ある動向を指摘した。つまり、コンピューター性能がとてつもなく向上して、どんな人も利用できる時代に向かっている。Peter Glaskowskyは、それを「無限の計算能力」と呼ばないようにと私にもっともな警告する。しかし我々が今持っているもの、あるいは数年前に予測されたものに比べれば、それを無制限と思うのも無理はない。我々はソフトウェアでできると想像するほとんどあらゆることを行うハードウェア性能を持っている。もちろん、現実にそのソフトウェアを書くというのは別の問題だ。

 いくつか例外がある。Peter Glaskowskyはこう指摘している。

 電子書籍を公開したり読んだりする機能に関しては、コンピューターの性能はよくありません。電力消費とディスプレイの品質は、それほど急速に向上していません。例えば、写真の画質やビデオ対応の電子書籍の表示はまだまだよくありません。

 Kindleのバッテリー寿命と解像度は、現時点で「十分よい」以上であるのは確かだ。そして、私はどちらも向上すると思う。もう少し詳しく述べる。私の疑問はこうだ。我々が20年前に夢見た以上の性能を得るとしたら、一体その性能は出版産業にどう影響するだろうか?

 電子書籍は人気を得つつある。電子書籍がプロの作家の収入に占める割合はまだわずかだ。だが、電子ジャーナリズムは非常に重要である。オンラインマガジンはもとの印刷版が廃刊しても存続する。Chaos Manor Reviewsの広告収入は微々たるものだが、購読料収入は重要だ。もちろん、この場合の購読はChaos Manor Reviewsと私のWebサイトの両方の購読だ。そして実際そのWebサイトはChaos Manor Reviewsが始まる前からかなり多くの購読者がいた。私が言いたいのは、コラムニストは出版社がなくても生き残ることができるということだ。少なくとも米国内の出版社はいらない。私はそれをやっているので、わかっている。

 電子書籍はまだ著作者の収入の主要な部分とはなっていないが、電子書籍の人気が高まるにつれてまず間違いなくそれは変わるだろう。我々はすでに十分によいハードウェアを持っている。私はここ何か月もAmazon Kindleを使っていて、Kindleで小説を読むのは場合によっては紙の本を読むより快適だ。1つには、Kindleは完全に片手で扱うことができる。本の場合は、ハードカバーでもペーパーバックでも、ページをめくるにはたいてい両手を使う必要がある。ページを飛ばしながら本を拾い読みするのはちょっとやりにくい。むろん、それは本を読む正しい方法ではないかもしれない。Kindleには、さっと拾い読みしたい時、数ページスキップする方法がある。(「Alt-Next Page」を使う)。

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