ソフトバンクモバイル(以下、ソフトバンク)は、8月5日、iPhoneの通信料金であるパケット定額フルの価格体系を改訂し、5985円の定額制から、1695円からスタートし、上限が5985円となる体系に変えました。この料金改定自体は、ユーザーにとってはメリットのあることで、素直に喜びたいのですが、筆者は、いつもこういうときに「なぜ?」と考えてしまいます。

 まず、気になるのは、7月11日に発売して1カ月も経っていないことです。だったら、最初からそうしてくれればいいのにと思ったユーザーもいるでしょう。期間が短いことから、最初から計画したことではないと考えられます。こんな短期間に変更する計画を立てる必然性がないからです。

 料金体系の改訂は、そんな簡単なことではなく、印刷物の変更や店舗への周知、システムの変更など、コストもかかります。半年なり、1年で変更するならともかく、料金計算の単位である1カ月よりも短い期間で変更を行うのは、どう考えても計画的とは思えません。それに、今回のような料金体系なら、少なくともユーザーは歓迎するでしょうから、最初からやったほうが有利です。

 素早い判断と言われれば、確かにそうです。では、その原動力は何なのでしょうか。ビジネスなので、単なるユーザーへの感謝の気持ちというわけでもないでしょう。大きく2つの理由が考えられます。1つは、何かの好機を見つけたために、さらにビジネスを拡大するため、もう1つは、何か問題があったので、その対策という見方です。

 実は8月7日にTCA(社団法人電気通信事業者協会)が、7月の携帯電話契約者数の集計を発表しています。これは、毎月行われており、前月分を翌月の初旬に公開しています。これによると、7月のソフトバンクは、純増数21万5400件と大きく増えています。純増数とは、新規契約者から解約者分を引いたもので、各携帯ネットワーク事業者の契約者の純粋な増分です。現状、2Gを使う契約者は減少傾向にあり、3Gの契約者は増大傾向にあります。実際の数字を見るとNTTドコモのほうが3Gの契約者は多いものの、2Gの解約者が多く、差し引きで純増分が小さくなっています。

 しかし、統計をよく見るとソフトバンクの3G単体での契約者数は、実は今年2月と同等に戻ったに過ぎません。iPhoneをどれだけ販売したのかという数は発表されていませんが、iPhoneを含む夏モデル全体で、春の新モデル出荷期とあまり変わらないという状況になっているようです。

 そう考えると、少なくとも7月の段階では、iPhoneによる契約獲得数への影響はあまり大きなものではないのかもしれません。あるいは発売直後でもあり、買い手に対して、十分な数が行き渡らなかったのかもしれません。

 聞いた話ですが、7月11日の発売後1週間ぐらいは、まだ売れ残っている店があったようです。その後どこの店も欠品となりました。そのあとで定期的に入荷するようになり、7月末ぐらいから、iPhoneはあちこちで簡単に買うことができるようになったようです。

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