総合的な「IT知識」を問う国家試験

ITパスポート試験は、経済産業省から委託を受けた情報処理推進機構(IPA)が行う国家試験だ。IPAが扱う「情報処理技術者試験」には、ほかにも「基本情報技術者試験」や「応用情報技術者試験」などがあるが、これらはIT系企業の社員や一般企業のIT技術者が対象。ITパスポート試験も、2009年度春期までは「初級システムアドミニストレータ試験」の名称で、IT関係の会社員や学生を対象にしていた。しかし、ITパスポート試験になってからは「社会的な基礎知識を備えつつ、職業人として必須のIT力を兼ね備える人材」の育成を目指し、全ての働く人を対象にしている(図1~図3)。

【情報処理技術者試験の中では最も易しい】
図1 ITパスポート試験は、経済産業大臣の証書がもらえる国家試験。2009年に「初級システムアドミニストレータ試験」からリニューアルし、一般企業のIT利用者も対象とするようになった。
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図2 基本情報技術者試験や応用情報技術者試験など、情報システム関連の業務を担当する人に向けた上位試験もある。CBTに対応しているのはITパスポート試験のみ
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図3 2011年度特別試験の受験者層。10代、20代の受験者が多い。ITパスポート試験になってからは、IT系企業(ソフトウエア業、情報処理サービス業など)以外の会社員も多く受験するようになった
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 ITパスポート試験では、4択問題が100問出題される。最大の特徴は出題範囲が広いこと。知識で解ける問題ばかりではなく、「2進数1.101を10進数で表現したものはどれか」といった計算問題も含まれる。企業経営や法務、システム開発の問題も出るため、「学生には少し難しいかもしれない」(IPA情報処理技術者試験センター企画グループの田中慈和グループリーダー)というレベルだ。

 参考までに、パソコン教室「アビバ」の試験対策コースでの学習時間を図1に記載した。アビバでも、ほかの検定試験の2級レベルより長い学習時間を設定しており、出題範囲の広さがうかがえる。

 またITパスポート試験は「実技」がないのも特徴。これは国家試験であるため、マイクロソフトのような特定企業の製品を試験の対象にできないからだ。表計算やデータベースの使い方も出題されるが、ExcelやAccessなど特定のソフトではなく、IPAが定義した独自の仕様による表計算やデータベースの問題が出る。

 このため、ITパスポート試験に合格しても、必ずしも「パソコンが使いこなせる」とは言えない。

図4 問題は全て4択で、3つの分野から出題される。前半は84問の「小問題」を出題。後半に比較的長文の「中問題」が4題出題され、それぞれ4個の4択問題が含まれている。なお試験には、IPAが今後の参考とするための、合否とは無関係の問題が8問含まれる
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