早速、フォトレタッチソフトを使って色を補正していこう。この特集では、アドビシステムズの「PHOTOSHOP ELEMENTS 8」を例に取り、補正の手順を解説する。その作業を通じて、色への理解を深めたい。

 最初のテーマは、光源による色合いの差を補正する「ホワイトバランス」だ。通常、デジカメで写真を撮る場合、ホワイトバランスの設定は「オート」にすることが多いだろう。こうしておけば、カメラが自動的に光源を推定し、色を調整してくれる。だが、時に不本意な色調になることがある。カメラが苦手な環境だったり、何かの拍子で設定が変わってしまったりした場合だ。

 例えば図1の左上の写真。晴れた屋外なのに、ホワイトバランスを誤って「電球」に設定して撮影したものだ。太陽光の日中の色温度は5500K(ケルビン)前後だが、写真用タングステン電球は3200K。通常の白熱電球では、2800Kだ。太陽光との色温度の差は、2700Kにもなる。

 白熱電球は「温かみのある色」とも言われるように、日中の太陽光よりもオレンジのような暖色の色調を持っている。ホワイトバランスを「電球」に設定すると、その光の下で白を白く再現できるように、全体の色調が青方向に調整される。日中の太陽光の下でこの設定を適用すれば、当然、全体が青っぽくなる。

 このように、写真の色調が特定の色に偏ることを「色かぶり」と言う。色かぶりは、カメラの設定が正しくても起こり得る。デジカメのホワイトバランス機能は、光源だけに左右されるわけではない。撮影対象の色などによって誤った判断をすると、色かぶりが発生する。

 そんなときは、フォトレタッチソフトを使用して補正しよう。まずは、写真全体の色がどの方向に傾いているかを判断する。写真全体から受ける色調の印象や、写真の中の白い部分を見れば分かりやすい。図1の写真では、横断歩道などが青白くなっているため、ブルーに偏っていると判断できる。そこで、ブルーの成分を減らす作業をする。

【青みがかった写真は、「レベル補正」でブルーを減らす】
図1 PHOTOSHOP ELEMENTS 8で「画質調整」→「ライティング」→「レベル補正」を選ぶと、上のようなヒストグラムが表示される。補正前は青かぶりしていたので、チャンネルを「ブルー」に切り替え(左下)、中央のつまみを右方向に動かした(右下)。これで青みが減り、自然な色になる(右上)
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 フォトレタッチソフトで色調を補正するには、「カラーバランス」や「トーンカーブ」といった機能を利用する方法もあるが、ここでは一般的に使われる「レベル補正」という機能を利用してみる。

 具体的な手順は以下の通り。まずPHOTOSHOP ELEMENTSのメニューから「画質調整」→「ライティング」→「レベル補正」を選択すると、図1下の画面が現れる。「チャンネル」で「ブルー」を選び、ヒストグラム下の中央にあるつまみを動かそう。感覚的にはつまみを左に動かすとブルーの成分が減りそうに思えるが、実際は右に動かす。中央のつまみは、画像のうち最もブルーが強い部分(ヒストグラムの右端)と、最も弱い部分(同左端)のうち、どこを中間値とするかを指定するもの。中間値を右にずらすことで、今の中間値よりもブルーが強い部分を中間値と見なすことになる。これは全体的にブルーのレベルを下げるということになり、ひいては全体的にブルーを減らすという意味になる。

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