ケーブルがいらない。だから、面倒な配線も不要─無線通信のメリットは明確だ。

 その一方で、「違いが分からない」「何を使えばいいのか迷う」と混乱している人も多いはずだ。無線通信には、周波数帯や変調方式など、聞き慣れない用語がいっぱい。アルファベットから成る規格名も、理解を妨げる壁だ。しかも、最近は新しい技術が続々と加わっている。

 この特集は、それらの無線技術を整理するのが目的だ。プリンターやデジタルカメラなど、身近な機器をパソコンと接続する技術から、外出先でインターネットに接続するデータ通信サービスまで。パソコンやデジタル機器の周りで使われる主な無線技術をまとめて紹介する。

 個別の技術について説明する前に、まずは各技術の位置付けを整理しよう。無線技術と言っても、使用する技術や想定する用途、つながる機器は異なる。伝送速度や伝送距離もバラバラだ。

技術の位置付けを知る

 無線技術を整理する切り口はいくつもあるが、ここではまず、距離別に3つに分けてみた(図1)。

【今、知っておくべき無線技術】
図1 無線技術は、通信距離に応じて使われるシーンや用途が異なる。実用中のものもあればこれから実用が始まるものもある
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 まずは、パソコン周辺など、近距離で使う技術。PAN(personal area network)と呼ばれたりもする。通信距離は10m程度まで。距離が短いものでは、数cmというものもある。机の上でパソコンと周辺機器を接続し、データをやり取りする用途が中心だ。最近は、TransferJetやワイヤレスHDなど、新しい技術が登場。赤外線通信やBluetoothのような既存の技術も伝送速度が高速化するなど、技術の進歩が活発だ。

 次は、家全体をカバーする技術。ここは、無線LANの領域だ。無線LANの中にもIEEE802.11a/b/g/nと複数の規格があり、伝送速度や伝送距離などの特徴は異なっている。

 最後が、街の中をカバーする技術。携帯電話などの領域で、WAN(wide area network)と呼ばれることもある。最近では、既存のデータ通信技術を発展させた新サービスが相次いでスタート。モバイルWiMAXも加わり、伝送速度は著しく向上した。2010年には、次世代の携帯電話技術の中心になるLTEも登場する。

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