台湾の大手AV機器メーカーであるベンキューは、パネル解像度が1920×1080ドットのいわゆる「フルHD」画質のホームシアター向けDLPプロジェクター「W10000」を、2006年6月6日~10日に台湾・台北市で開催された「COMPUTEX TAIPEI 2006」で実演展示した。2006年12月をメドに、日本を含む世界各地で発売する予定で、価格は「5000米ドル強の見込み」(ベンキュー説明員)としている。北米市場を中心に、本格的なホームシアターの構築を望むハイエンドのユーザーから注目を集めそうだ。

 コントラスト比が1万対1と高いのが特徴。輝度も1000ANSIルーメンで、ホームシアター向けプロジェクターとしては明るい。一般にプロジェクターは放熱ファンによる騒音があるが、W10000では騒音レベルを23dBに抑え、「図書館以下の静粛性を実現した」(ベンキュー説明員)としている。会場では、W10000とスピーカーを配置したホームシアターを設営し、100型のスクリーンにハイビジョン画質の映画を投射。来場者に見てもらうデモを実施していた。W10000で投射する映像の画面サイズは「80型~100型程度を推奨する」(ベンキュー説明員)としている。

 HDMI、コンポーネント、S映像、コンポジット映像の各入力端子を備える。HDMIについては著作権保護方式のHDCPに対応しており、Blu-ray DiscやHD DVDプレーヤーと接続して、1080iなどのいわゆるハイビジョン画質の映像を投射することが可能だ。なお、パソコンの映像出力として主流のアナログRGBやDVI端子は備えていない。「PowerPointのプレゼンテーションを投射するような、いわゆるデータプロジェクターとしての用途は想定していない。あくまでホームシアターに特化した設計とした」(ベンキュージャパン広報)。

 同社ではフルHD対応のプロジェクターをいち早く家庭向け市場に投入することで、他社の液晶プロジェクターやDLPプロジェクターとの差異化を図る。また、液晶テレビやPDPテレビ、背面投射型プロジェクションテレビ(リアプロ)といった他方式では、100型といった大画面の製品は試作段階で、現時点で量産に至っていない。発売時期は早いものでも2006年10月~12月になる見込みで、価格についても現時点では具体的な情報を公表しているところはないものの、5000米ドル強というW10000の価格帯と同水準にするのは当面困難とみられる。ベンキューはW10000の価格や発売時期を明確化することで、こうした大画面の薄型テレビに対し先手を打つ狙いもあるとみられる。

 ちなみに、同程度の液晶テレビとしては、韓国サムスン電子とソニーの共同出資会社である韓国S-LCD社が82型液晶パネルを試作しており、ソニーとサムスンがこのパネルを用いた製品を2006年1月に米国ラスベガスで開催された「2006 International CES」に出展している(Tech-On! 関連記事1同 関連記事2)。また今回のCOMPUTEXと同時期に米国サンフランシスコで開催された「SID 2006」では、韓国LGフィリップスLCD社が100型の液晶テレビの試作機を展示した(同 関連記事3)。

 PDPテレビでは、松下電器産業が103型のパネルを用いた試作品を「2006 International CES」で披露している(同 関連記事4)。サムスン電子は、102型PDPテレビの試作品を松下より1年早く「2005 International CES」で出展(同 関連記事5)、韓国LG電子も「2006 International CES」で102型PDPテレビの試作品を披露している(同 関連記事6)。


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