最近、携帯できる小型のノートパソコンが続々と登場しています。これらのノートは液晶サイズが10.4~12.1型で、重さが1kg前後。ところが、さらに小さいノートパソコンがあります。それが「UMPC(Ultra Mobile PC)」です。その名前の通り、現在携帯ノートといわれているノートパソコンよりも、ずっと小さいのが特徴です。

 UMPCが注目されているのは、低消費電力ながら高性能なCPUが登場し、バッテリーの持続時間が長くなったからです。「パソコンを持ち運ぶのなら、なるべく小さなものを」というユーザーのニーズに応えられるようになってきたわけです。

 携帯型の情報機器としては、これまでにもPDAがありました。ただ、重さこそ200g程度と軽量ですが、搭載するのはPDA専用のOSで、Windows XPやVistaなどのパソコン用OSではないため、Windows用のソフトを動かすことができません。これに対し、UMPCはWindows用のソフトを動かすことが可能です。WordやExcelなどのアプリケーションを使ったり、インターネットで各種サービスを利用したりと、ノートパソコン同様の使い方ができます。

UMPCの仕様とは

 UMPCには明確な規格はありませんが、マイクロソフトやインテルなどが示しているガイドラインがあります。例えば、インテルが2006年に発表したガイドラインでは、下表の通り、重さは900g以下、ディスプレイは4~7型のタッチパネル、CPUはPentium MかCeleron M、通信機能としては無線LANとBluetooth、OSはWindows XPなどとなっています。

インテルが当初示していた主な仕様。同社は2007年に「Ultra Mobile Platform 2007」というガイドラインを示しており、実際の製品では、CPUとしてx86互換の「A100」「A110」が搭載されている

 またマイクロソフトのUMPC(開発コード名はOrigami)もほぼ同じ仕様となっており、2006年に製品化されています。一般的にはこれらのガイドラインに当てはまる製品をUMPCと呼ぶことが多いようです。富士通が発売した「FMV-BIBLO LOOX U50WN」(下写真の左)などはこれらの仕様に沿って作られています。

 ただ、これらはあくまでもガイドラインであり、従うかどうかはメーカー次第です。例えばソニーの「VAIO type U」(下写真の右)は、独自に開発された超小型パソコンですが、カテゴリーとしてはUMPCに入るのは間違いありません。

富士通のUMPC「FMV-BIBLO LOOX U50WN」(左)に代表されるUMPCのほかにも、超小型サイズのパソコンはある。例えばソニーの「VAIO type U」(右)。インテルやマイクロソフトの提唱するUMPCとは異なるが、その用途やユーザー層はUMPCと一致する

 できることは、PDAを超えてノートパソコン並みのUMPC。とはいえ、ノートパソコンと比べると、性能面ではどうしても劣ります。小さいキーボードが打ちにくかったり、液晶画面も小さく、拡張性が低いといった制約もあります。購入時には、こうした点をよく吟味した方がよいでしょう。

出典:日経パソコン 2007年7月9日号
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。