毎日たくさんいただく名刺を、すべてデータベースにしていこうとすると、とてつもない時間がかかります。さらに、最近もらった名刺ほど利用頻度が高いにもかかわらず、そうした新しい名刺に限って入力されていない。結果、情報が見つからなくてあたふたするわけです。そういうことから、名刺をすべてデータベースに入力して管理することには反対してきました。データベースにするなら、なんども使うような連絡先だけでいいのです。

 代わりにどうやって名刺を管理するのかと言えば、非常に原始的な方法ですが、持ち歩くというのが僕の方法です。よく使う名刺をピックアップして、それを名刺入れに入れておくのです。30枚くらいであれば、名刺を探すのにもそれほど時間もかかりません。

 つい最近まではこの方法でやりくりしていたのですが、だんだんと無理が出始めてきました。それは、お付き合いしている人の数が急に広がったためです。仕事上でもプライベートでも、まるでカンブリア爆発のような人脈の広がりを最近感じています。小さな変化が積もり積もって、あるとき突然、大きな変化を起こすことを「相転移」と呼んだりしますが、まさにその状態。そうなると、これまでのように名刺を持ち歩いていたのでは対応しきれなくなってきました。

 そんなときに救世主が現れました。それが「iPod touch」。みなさんすでにご存知でしょうが、大型のタッチスクリーンで、音楽や映像、写真、スケジュールやインターネットも閲覧できるすばらしいデバイスです。実はこのiPod touch、名刺を持ち歩くツールとしても活用できるのです。

 使い方は簡単です。名刺をパシャパシャと写真にとって、パソコンに保存。それをiPodへ転送するだけです。名刺と普通の写真とを区別するためにも、「名刺」というフォルダーに入れておくと便利でしょう。こうしておくと、フォルダーを開いた瞬間、撮影した名刺がずらりと並びます。

ずらりと並んだ名刺。サムネイルになっても、デザインをみるだけでどこの会社の名刺かすぐ分かる

 このうちから一枚、選んで指でタッチすると、拡大画面になります。

拡大された名刺。拡大すれば、小さな文字までクリアに読める

 iPod touchのことを言葉で説明するのは難しいのですが、表示された名刺を指先ではじくようにしてスクロールさせると、次々と名刺が表示されます。そして、日本の指を押し開くようにすると、その部分が拡大されます。住所や電話番号の部分も、これでしっかりと読むことができます。

 こうやって、画像データとして持ち歩くようになって、名刺の束からも解放されました。iPod touchは、まだまだいろいろな使い道が考えられそうです。

 最近では、ウィルコムのスマートフォンなどに名刺管理ソフトが付いているそうです。これらはiPod Touchよりもっと優秀で、カメラで撮影した名刺画像をOCR(Optical Character Reader)で読み込んで文字情報を抽出。それを携帯電話のアドレス帳に登録してくれます。これだと、検索にも便利です。

 ただ、僕の場合、今までが原始的な管理だったので、ぱらぱらとめくっていけるiPod Touchの方が性に合ってるような気がしています。