「大企業からは『ふざけるな』という声さえありますよ」――。Windows XPのOEM提供終了を目前にして企業ユーザーの不安は増していた。マイクロソフトがXP提供を2008年1月31日に終了するというプレスリリースを8月に発信して以降、NECや富士通などの企業向け窓口には「XPの提供終了に関する問い合わせが増えている」(富士通)。

 戸惑う理由は一つ。「Windows Vistaへの移行・導入が検討さえされておらず、依然XPの需要が高い」(大塚商会の技術本部システム技術部門テクニカルソリューションセンターMSソリューション課清水達哉課長)からだ。実際、現時点での企業におけるVistaの導入率は「1割程度」(NEC、富士通)、「5%程度」(日本ヒューレット・パッカード)、「いいとこ数パーセント」(大塚商会)と、遅々として進んでいない。まだXPを使い続けたい企業が圧倒的に多いにもかかわらず、刻一刻と迫るXPの事実上の販売終了。

 大塚商会の清水氏によれば企業がXPを使い続けたい理由は主に2つ。一つは、現時点で特に大企業はようやくXPに完全移行し終えたばかりの段階であること。数千ものパソコンを所有する企業はXPの導入に関するテストや機能把握、エンドユーザーやサポートセンターの教育などをようやく終えてXPに完全移行できたばかり。その矢先にXPの提供が終了となれば「ふざけるな」という声もうなずける。

 もう一つの理由は言わずもがなアプリケーションの対応。XPが登場した5年前に比べ、企業が利用するアプリケーションは圧倒的に増え、「マイクロソフトとオラクルさえ動けばOKという時代ではなくなった」(大塚商会の清水氏)。アプリの対応が進まない限り、企業が新しいOSの導入に二の足を踏むのは当然と言える。

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