天高く馬肥ゆる秋。

 あいにく近所に馬が住んでないので最近やつらが肥えてるかどうかはわからないのだが、少なくとも私は肥えっぱなしである。水飲んでも太る。ってか飲まなくても太る気がする。
 昨日今日太ったわけでもあるまいし……というのは、故ナンシー関画伯が雑誌で某タレントに容姿のことを絡めていちゃもんつけられた時に切り返した名啖呵だが、まさに私がそれ。
 物心ついたら太っていた。いつのまにかデブだった。気づいたらまんまるだった。
 そして、もちろん食いしん坊であった。
 子どもの頃の私の趣味といえば、本を読みながら菓子を食べること。本は、漫画でも伝記でも童話でもエッセイでもなんでもいい。お菓子は煎餅がベスト。歌舞伎揚げならなおよし。そりゃあ、動かないでだらだら食べてたら太るわよ。

 あら、つい勢いで筆が滑って書き慣れない語尾を使ってしまった。まあ、パソコンで原稿を書いているので筆は滑らないんだけどね。

 ところで、どうでもいい話だが、世の中には2種類の人間がいる。
 語尾につける「わよ」の「よ」をひらがなで発声する人間とカタカナで発声する人間の2種類だ。
 ひらがなの「わよ」の代表選手は杉本彩、そして、カタカナの「わヨ」の代表は水森亜土であろう。ジャガー横田の旦那の木下さんも「わヨ」の人だな。いや、本当にどうでもいい話なんですが。

 さて、食いしん坊の読書好きという少女時代を送った私だが、当然、物語の中に登場する美味しそうな食べ物に対する思いも深い。
 中でもベスト3をあげるならこんな感じ。

 1位 「ぐりとぐら」のカステラ
 2位 「ドリトル先生航海記」のソーセージ
 3位 「ゆうちゃんのみきさーしゃ」のアイスクリーム

 さすが「ぐりとぐら」はロングセラーの絵本だけあって、あのカステラを「食べたい」と思う人も少なくないようで、「ぼくらのなまえはぐりとぐら―絵本「ぐりとぐら」のすべて。」(福音館書店)や「絵本からうまれたおいしいレシピ 絵本とお菓子の幸せな関係」(宝島社)などにレシピが掲載されている。いつかあのふっくらした黄色いカステラを家で作ってみようと思いながらも、いまだ果たせずにいる。

 2位は、ドリトル先生に会いにいった少年が家に初めて招かれた時に先生自らが炒めてくれたもの。何の変哲もないソーセージなのだけれど、やけに美味しそうなのだ。
 このドリトル先生という人は動物語を喋るお医者さんで、家にはアヒルやブタやオウムやサルが家族同様の扱いで一緒に暮らしている。ブタの目の前でソーセージを炒めて食べるというのはいかがなものか、互いに気まずくないのか…と読むたびに不審に思うシーンでもあったりする。

 3位の「ゆうちゃんのみきさーしゃ」は、ゆうちゃんという男の子がお菓子の缶にコップを乗せたものをミキサー車に見立てて森に遊びにいくと、森の動物たちが蜂蜜や牛乳をわけてくれるのでそれらをミキサー車に入れてグルグル…そして最後に雪を入れてかき回すと食べきれない程のアイスクリームが出来上がるというお話。
 ねー、いかにもコドモが好きそうな話でしょー? 
 1968年に「こどものとも」の1冊として出版され、その後、長らく品切れになっていたものの1999年に復刊。今は書店でも手に入るので、気になった方はぜひ。
 この他にも「秘密の花園」のマーサ&ディコン姉弟のママが焼いてくれたぶどうパンとか、「二十四の瞳」の子ども達が大石先生の家でごちそうになったうどんとか、「アルプスの少女ハイジ」のアルムおんじが焼いてくれるチーズとか、「赤毛のアン」のアンがジュースと間違えてダイアナに飲ませてしまった葡萄酒とか、「西遊記」の孫悟空が盗み食いして天界を追放された西王母の桃とか……ああ、もうキリがない!
 
 そういえば、本に出てくる旨そうなモノといえばこんなのもあった。漫画の肉。
 「はじめ人間ギャートルズ」などでおなじみの「あの肉」だ。
 漫画が好きな人間ならきっと一度は食べてみたいと思う「あの肉」を実際に扱っている店があるという。

 東京・阿佐ヶ谷にある吉沢商店では、「あの肉」そっくりの骨付きのソーセージを販売しているらしい。お値段は2625円(2006年10月現在)。気軽に買える価格ではないが、ホームパーティでコレを出したらおおいに盛り上がると思う。
 また、京都にある 暖包(ヤンパオ)という居酒屋では、メニューに「あの肉」があるそうだ。その名も「マンガ肉」。こちらは880円(2006年11月現在)。このお店では、赤塚不二夫や川崎のぼるの漫画でよく見かけるような山盛りのごはん「マンガ盛り」なるモノも食べられる。

 あー、おなかすいてきた。カップ麺でも食べようかな。だから太るんだよなあ。んもう。