アップルのiPhoneが、聴覚障害者団体のHearing Loss Association of America (HLAA)からアクセシビリティの技術基準を満たしていないとして、アメリカ連邦通信委員会(Federal Communications Commission:FCC)に提訴されたとの情報が、アクセシビリティ研究会のメーリングリストに伝えられた。その関連記事を読むと、どうやらiPhoneは、FCC基準のチェックが甘かったらしく、補聴器を使う人に音がうまく聞こえない点を改善するように求められているらしい

 この情報を伝えてくれた東洋大学経済学部の山田肇先生は、米国連邦政府の諮問機関であるTEITAC(Telecommunications and Electronic and Information Technology Advisory Committee)に諮問委員として参加し、アメリカのリハビリテーション法508条の技術基準の改定にも関わっている(関連記事)。508条は2008年秋頃に改訂される予定だが、そのきっかけとなったのも、実はアップルのiPodなのだという。

 視覚障害のある人は、音楽が最大の楽しみの一つだから、当然ながら人一倍iPodを使いたい。でも、デザインする人は、誰かにそのことを言われなければ気づかない。結局、目の見えない人にとってどうであるかは気づかずに、どこになんの曲があるのかわからない製品ができあがってしまったというわけだ。それで508条の技術基準を最新のインタフェースにも対応できるように改訂しようということらしい。

 アップルがデザイン命の会社なのは誰もが認めるところだ。カッコいいデザインは、ライフスタイルだってカッコよくしてくれる。例えば最近僕は、「Nike+」が気になっている。これを始めるには、「iPod nano」と「Nike + iPod Sport Kit」、それに「Nike+ Ready Shoes」というセンサーが取り付けられるスポーツシューズが必要になる。価格は全部で4万円くらい。センサーがランニングの状態をiPodに取り付けたレシーバーに送信して記録する。家に帰ってきたら、そのiPodをパソコンにつなぐ。するとNike+のサイトで走った距離や走行ペース、消費カロリーなんかを整理してくれて、いろいろなチャレンジにも参加できるという、リアルとバーチャルの連動企画の製品なのだ。万歩計でもそんな企画製品があるけれど、こっちの方がなんかカッコいい。僕は、今となってはちょっとお腹の気になるおじさんだけれど、これでも昔は陸上部で短距離をやっていたのだ。

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