最近の液晶ディスプレイは多機能化が進んでいる。オーバードライブ機能、多階調処理機能は、性能を上げる機能の代表だ。今回はその2つの機能を解説しよう。

大きな電界変化量を与えて高速化するオーバードライブ

 液晶ディスプレイで動画を見る場合、その応答速度が問題となってくる。応答速度が遅いと動画に残像感や違和感を覚えるばかりか目の疲労にもつながる。液晶は中間階調での応答速度が弱点とされてきた。図1のように、液晶はその性質上、白(フル階調)→黒(0階調)または黒→白の階調変化に対する応答速度が速く、中間階調から中間階調(Gray to Gray:以下GTG)の階調変化に対する応答速度は遅い。オーバードライブはGTGの応答速度を白→黒または黒→白の応答速度に近付けようとする技術であり、今や液晶ディスプレイにはなくてはならない機能の一つである。

 オーバードライブはLCDパネル側で行う場合と、LCDパネルに信号を出力する手前の回路側で行う場合と2通りあるが、どちらも原理は同じ。図2はオーバードライブの有無によって信号波形がどう違うかを分かりやすいように模式図にしたものだ。

 (a)は0階調(黒)から255階調(白)へ変化させた時のもので、これは応答時間が短い。(b)はオーバードライブをかけない状態でGTGへ変化させた時のもの。GTGの液晶応答は階調の変化量が小さいにもかかわらず(液晶の性質から言えば階調の変化量が小さいがゆえに)遅い。(c)は(b)と同じ階調変化でオーバードライブをかけた場合だ。この図から分かるように、オーバードライブとは実際の階調変化量に対応する電界変化量よりも大きな電界変化量を液晶に一瞬与えることによって、瞬間的な液晶の応答を引き出す技術である。

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