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 HDDコントローラーは、セクターと呼ばれる単位でディスクを読み書きする(図8)。セクターはトラックを分割した記録単位で、一つひとつに識別番号(アドレス)が割り当てられている。1セクターの容量は512バイト。なお各トラックも外側から内側に向かって、トラック番号で区別される。

 セクターを指定するのに、以前はシリンダー番号、ヘッド番号、セクター番号が使われていた(CHS方式)。シリンダー(円筒)とは各ディスクで同じトラック番号のトラックを総称したものだ。しかし、最近のHDDでは物理構造に関係なく、すべてのセクターに通し番号をつけてアクセスをするLBA(Logical Block Address)方式が一般的である。LBAではアドレス(セクター)指定に28ビットの値を使うため、HDDの最大記録容量は512バイト×2の28乗で、約137GBになる。さらに、2001年6月には米マックストアからアドレスの指定に48ビットを使う規格が発表され、規格団体に提案された。この規格では最大で約144PB(ぺタバイト、1PBは約100万GB)のHDDを実現できる。

カタログスペックの読み方

 ここで、カタログや雑誌などでよく見かけるHDDのスペックについて解説しよう。HDDの読み出しでは、目的のセクターがあるトラックにヘッドを移動し、そのトラックからデータを読み出し、パソコンに転送する(図9)。ヘッドの移動速度が速いほど良い。その目安となるのが平均シーク時間だ。これは隣接するトラックから始めて2本隣、3本隣、…最も離れたトラックまでの移動時間を計測した平均値だ。だいたい数mから10数ms(ミリ秒)の値になる。

 ディスクの回転速度は、「7200rpm(回転/分)」などと1分当たりの回転数で表される。この数字が大きいほど、目的のセクターがヘッドの下に来る時間やデータの読み出し時間が短い。

 内部転送速度はディスクからバッファーメモリーに読み込むまでの速度。このほか、バッファーからメインメモリーへ転送するインタフェースの速度もポイントとなる。IDEではUltraATA 100(100MB/秒)やUltraATA 133(同133MB/秒)などがある。しかし、高速なHDDでも内部転送速度は60M~70MB/秒なので、実はインタフェースはあまり気にしなくてもよい。

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