キー操作をマスターしたら次は辞書の活用だ。辞書は変換処理に使うデータのこと。日本語入力ソフトが始めから持つシステム辞書(ATOK では「辞書」)と、ユーザーが編集可能なユーザー辞書の2つに分かれる。

 辞書は単語とその品詞の他に、単語の意味上の分類や他の単語との関連性なども含む。日本語入力ソフトはそれを使って単語と単語のつながりを解析して変換候補を提示するため、理屈の上では単語を一つずつ入力・変換するのと、長い文章を丸ごと入力して一気に変換するのでは、後者の方が効率がいいはずだ(図17)。もっとも「最近では単文節で変換しても一文を丸ごと変換しても、精度にあまり差が出ないように作っている」(マイクロソフトオフィスサービス開発統括部板倉謙プログラムマネージャ)。「名詞+接続詞」といった文節単位で区切るのであれば、好みで決めても害はなさそうだ。

【漢字1文字を変換・合成して熟語にするのは御法度】
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図17 個人の学習結果などによって異なるので一概には言えないが、一般的に主語と述語をセットで入力した方が正しく変換される確率は高くなる

 ただし、漢字1文字ずつの変換を繰り返したり、誤変換のまま[Enter]を押して確定したりするのは良くない。日本語入力ソフトの学習機能が働き、おかしな変換候補が記憶されてしまうことがあるのだ。

 例えば「広辞林」と変換したいのに「工事林」となって、しかも文節区切りが漢字1文字ずつになっている場合。この時、1文字ずつ変換してから確定すると、辞書が「広辞林」という単語を認識しないうえ、隣接する3文字に何らかの関わりがあると学習してしまう。以降、全く別の文脈でこの3字が出てきたときに誤変換が起こる率が高くなる。こうしたミスを避けるには「広い」「辞職」など熟語で入力して、不要な1字を消すというやり方をするとよい。なお、一番望ましいのは、ユーザー辞書に単語を登録することだ。

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図18 漢字三文字の単語が、文節区切りの段階で1文字ずつ分断されてしまった。この場合、1文字ずつ変換して確定するよりは、さっさとユーザー辞書に登録しよう

たまには辞書を整理整頓

 自動学習した単語は一覧表示できる。IMEの場合は「ツール」から「辞書ツール」を開いてみよう。「ツール」メニューで「抽出」を選び、「登録の種別」項目で「学習単語」にチェックして「抽出」ボタンを押す。すると学習した単語が一覧で現れる(図19-21)。ATOKではATOKパレットの「ATOKメニュー」から「辞書メンテナンス」とたどり、「辞書ユーティリティ」を開くと、やはり学習した単語が列挙される(図22)。ここで学習結果を削除することも可能だ。

【変な学習履歴はもれなく消去する】
図19 「ツール」→「辞書ツール」を開き、「ツール」メニューから「抽出」を選択
図20 開いた画面で「登録の種別」で「学習単語」にチェックして「抽出」を押す
図21 学習した単語が現れた。ここから単語を消去するなどして辞書をメンテナンスできる
図22 「ATOKメニュー」→「辞書メンテナンス」→「辞書ユーティリティ」から確認
※ 本記事は記事執筆時点の最新版だった「Microsoft IME 2003」、ジャストシステムの「ATOK2006」(ベータ版)で作成しています。
※ 特に明記しない限りIME 2003は「IME」、ATOK2006は「ATOK」として紹介します。

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