DRM(Digital Rights Management)は、音楽や映像などのデジタルコンテンツを、権利を持つ人のみが視聴できるようにする技術だ。実現のためには権利を譲渡/販売する仕組みと、権利を持つ者のみがコンテンツを再生できる仕組みが必要となる。DRMではデジタルコンテンツを暗号化し、使用権を持つ人に暗号を解読するための「鍵」を渡す。暗号技術を使い、使用権の内容が第三者に渡ったり、改変できないようにする。

 使用権とは、コンテンツをダウンロードしたPCでの再生や、携帯プレーヤーへのコピーができる権利を指す。旬を過ぎると価格を下げたり、最初の45秒は無料で視聴できるが、その後は有料にするなど、さまざまなビジネスモデルが考えられる。

 DRMのルーツの1つに、1983年に筑波大学(当時)の森亮一教授が提唱した「超流通」がある。コンテンツを自由にコピーできるようにして、視聴した分だけ料金を支払う考え方だ。NECのPC-9800シリーズが登場したころで、当時としてはかなり先進的な考え方だった。

 その後、DRM技術は高い価値を持つ技術として評価されるようになった。DRMに関する多くの特許を持つ米InterTrustは、2002年にソニーとオランダPhillipsに4.5億ドルで買収された。そのInterTrustがMicrosoftをDRM特許の侵害で訴えた訴訟では、Microsoftの支払った和解金が4.4億ドルに達した。

暗号鍵と許諾条件を合わせて ライセンス情報とする

 図1はDRMを使ったデジタルコンテンツの配信/視聴の基本パターンだ。デジタルコンテンツは暗号化され、PCなどの再生端末に配信される。

 DRMのポイントは、この暗号化に使った暗号鍵情報と、使用権に合わせた許諾条件の情報をセットにして、ライセンス情報として取り扱う点にある。再生端末(PCの再生ソフトなど)は再生時に、暗号を復号する鍵を取得するためにサーバーに対してライセンス情報の発行を要求する。サーバーでは、再生端末から送られてきたコンテンツのID番号や、ユーザー情報を確認し、ライセンスデータベースに格納されているライセンス情報を送り返す。再生端末は、ライセンス情報に含まれる鍵情報を使い、デジタルコンテンツの暗号を復号する。改変を防ぐために、ライセンス情報には改変すると壊れてしまう証明用の暗号情報を付加しておく。

 Windows MediaのDRMの場合、インターネットにつながっていない環境でも、ダウンロードしたコンテンツを再生可能にするため、ローカルハードディスク上の隠しファイル内にもライセンス情報を保管するようになっている。

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