さて、前回の記事でカヤックの関連会社クーピーという受託開発の会社について触れました。僕らが受託の仕事を続ける理由は、前回の記事で書いたとおりです。もともと自社開発も受託開発もやるかやらないかにはあまり関係がなくて、「カヤックさんと仕事したかったんですよー」とか言われてしまうと、根が単純なので、それだけで、はりきってしまうのです。

WinWinをかなえるのはGive&Giveの精神

 ちなみに、「CUPPY」は、Client(取引先) User(ユーザ) Production(僕ら)が、Happyになるという思いを込めてつけた社名です。

 社名が決まるまでの経緯はこちら。
 → 社名争奪グランプリ2001

 この名前に込められている思いは、WinWinな構造をつくりましょうということなのですが、実際にこの構造をつくるのはそんなに簡単ではありません。自分がいくらWinWinな提案をしたと自負していても、相手は全然そう思っていないことが多々ある。だから僕はよくディレクターには、こう言います。「WinWinになるためには、Give&Takeではなく、Give&Giveぐらいの気概が必要だ」と。人間はたいてい自分中心に考えてしまうものです。だから、ちょうどGive&Giveぐらいで、ようやく相手にとってGive&Takeと思うような提案になるものなのではないかと思うのです。

 基本的には与えるものが多い人間でありたいし、その方が自信をもって生きられます。
これは、組織の一員として考えた時もいっしょです。組織から自分が得ているものよりも自分が組織に与えているものの方が多いと感じれば、自信をもって楽しく仕事ができます。一方で、「何も自分は必要とされていないなぁ」「何もこの組織に貢献してないなぁ」と感じている状態が続くと、どんどん病んでいきます。だから今いる組織でなんとなく楽しく働けていないなぁと思う人は、まずは、組織に「与える」ことです。自分にしかできないことを探して、Give&Giveの姿勢で働くと、どんどん楽しくなっていきます。これはお勧めです。

 さらに、もう少しこの「与える」というキーワードについて、深追いしていきます。「クリエイティブとは、贈与である」ということを誰かが言っていたのを思い出しました。その誰かは、うちの社員なのですが。このキーワードはなんとなく納得できるものでして、確かに気前よく人に何かを与えることができない人は、そもそもクリエイティブになれないんじゃないのかと思いました。

創造は破壊、を想像する

 検証していくだけの事例がないですが、そういえば、僕の尊敬するあのおっさんも、本当にプレゼントが得意です。本当に人を喜ばせたい心からのプレゼントをあげることができる人は、一流のクリエイターなのだと思います。

 あ、ちなみに、プレゼントには、絵がいいですよ。
 → 測り売りの絵のお店 「ART-Meter」

 以前、何かのお祝いに絵をもらったことがありますが、その絵を見るたびにその人のことを思い出しますからね。(というような、打算的な思考から生まれた、贈与はだめなんだろうか・・・)

 例えば、下記の風習などはどう考えますか。

★ポトラッチ
〔チヌーク語で「贈与」の意〕北太平洋沿岸の北米インディアンにみられる贈答の儀式。地位や財力を誇示するために、ある者が気前のよさを最大限に発揮して高価な贈り物をすると、贈られた者はさらにそれを上回る贈り物で返礼し互いに応酬を繰り返す。
(三省堂提供「大辞林 第二版」より)

 この応酬が激しさを増すと、お互いの富の破壊にまで及ぶことがあるそうです。でも、創造は破壊だと言う人もいます。とすると、やはり、「クリエイティブが贈与である」という風にもなんとなく思えてきませんか。

 はい。言葉遊びですみません。